（景くん、靺凛さんの口調・キャラは妄想です。解釈違いございましたらご容赦）
景「俺、あの子に名前を付けてあげたいんだ」
支部員A（噂好きの友人枠）「お、いいじゃん！例えば？」
景「やっぱツノ生えてるからツノ太、とか？」
支部員A「ぎゃはは、お前センスひでーな。」
景「なんだよ、結構一生懸命に考えたんだけど。じゃあ、お前は何か良い案あんのかよ」
支部員A「んー、チビ助。ちっちゃいし」
景「…お前…よく俺のこと笑えたな」
支部員A「るっせー、分かったよ。ちょっと待ってろ……」「おーい、みんな～！景から相談があるんだってよ～」

支部員B「お？」C「なんだなんだ？」D「どした～」E「なになにー？」F「私もまざりたーい」通りすがりのリヴァイアサン「おや、面白そうですね」

支部員A「景、お前の悩みは支部員全員の悩みだ。一人で悩むより皆で悩もーぜ」
景「何だよ、それ。でもちょっと嬉しいかな。ありがと」
支部員A「だろだろ～。感謝しろよ」「みんな聞いてくれぃ。景が面倒見てる子いるじゃん。あの子の名前付けたいねって話なんだけどさ」

ワイワイ「刹那」「朧」「鳳凰」「昴」「黄昏」「弦一」ガヤガヤ


支部員A「あ～、どーしてこの界隈の人たちってすぐキラキラした名前を付けたがるんだか。いや俺も好きだけどさ」
景「あはは。あのさ、俺ももう1回良いかな」
支部員ズ「いいぜ！」「もちろん」「いいでしょう」
景「えっと…俺、今こうやってみんなでワイワイしながら話してるの、すごい楽しいんだ。なんていうか暖かい光に包まれてる感じがするっていうか…」
支部員ズ「ふむふむ」
景「でもさ、あの子は今すごい昏い目をしてる。俺、まだあの子が笑ったところ1回も見てない」
支部員ズ「ほうほう」
景「そんなあの子がさ、いつか今の俺たちみたいに明るく笑い合えたら、そんな未来が来たら、すごく嬉しいなって思ったんだ」
支部員ズ「なるほど」
景「だから、あの子の名前なんだけど『未来』ってどうかな。明るい未来があの子に訪れますようにって意味でさ」
支部員ズ「お～！」「いいじゃん。めっちゃいい！」「やるじゃん、景」「私、じーんと来ちゃった！」
靺凛「あらあら、面白い話をしていますね」
景「あ、支部長」
靺凛「ちょうど良かったです。今、彼の戸籍をどう整えるか考えていたところでしたから。未来くん…良い名前ですね」
景「ありがとうございます！」
靺凛「ふむ…戸籍を作る以上、名字も決めないとですね。葉桜さん、一つお願いがあるのですが」
景「はい！なんでしょうか」
靺凛「あの子の…未来くんのお兄ちゃんになってもらえませんか？」
景「へ？」
靺凛「あの子が明るい未来に辿り着く、その手助けをしてあげて欲しいのです。簡単に決めれることでは無いし、ゆっくり考えてくれたら良いわ」
景「なります！俺、あの子の…未来の兄になります」
支部員A「お、即答だぜ。景、かっけぇな」
靺凛「もう少し考えて…いえ、葉桜さんは出来ないことは言わない人でしたね。よろしくお願いしますよ」
景「ええ、任せてください。あの子の未来は俺が守ります！」


かくて葉桜未来は「誕生」した。戸籍上の意味でも、道具として生かされてきた少年が、初めて人としての生を歩み始めたという意味でも「誕生」と言えるだろう。
例えその生があまりに短いものだったとしても…