名前:柊木音海　性別:女 年齢:16歳
ブリード:クロスブリード
シンドローム:ハヌマーン/ウロボロス
ワークス/カヴァー:歌手/グラビアアイドル&高校生
所属:大手アイドル事務所『IDOL★STARDUST』
元地下アイドルで、前述した事務所に
2ヶ月前に入った後に正式デビューし、
今では一世を風靡している、超人気グラドル。
通称『ひーちゃん』『おとみん』ete……
(本拠地:寸台市)

コードネーム:Valkyrie Diva(戦乙女の歌姫)
誕生日:1月1日(もうすぐ誕生日……)
身長/体重:157cm/54kg
B/W/H:94cm/58cm/87cm
性格:クールだけど激情家。それでいて……
優しくて、頼まれた物を基本的に断れない性格。
誰かに必要にされたい。そんな存在。

好きなもの:ファンの皆、自分を必要としてくれる存在。
嫌いなもの:大切な存在が傷つけられる事。
苦手なもの:運動。激しいダンスや動きをする事。
そして……捨てられる事、暴力などの酷い仕打ち。

その他:クールボイスでありながら、
萌え声も出せる為、シリアス曲から電波曲まで
幅広いジャンルに対応できる歌唱力、
そして何より16歳とは思えないルックスや、
ボンキュッボンでセクシーな身体つきが評価され、
今では全国で彼女の名を知らぬ者は殆どいない。

通ってる高校はPC2と同じ。高校2年生。
クラスメイト、いや学校中から人気が高い。
グラビアアイドルなので、高嶺の花とも
言われている存在でもある。

TwitterやInstagramのフォロワーは数十万。
かなりのインフルエンサーでもあり、よくトレンドに
音海のセクシーグラビアショットが載っていたり……
もう、かっこいいと可愛いとセクシーが
全部両立した、完璧美少女である。

ーーはい、今回も始まりました「うなぎのぼり」！
現在鰻登りに人気が急上昇している有名人をゲストに
御招きして、様々なお話を聞いていくラジオ番組でございます、が！

今回のゲストはなんと！地下アイドルから大出世！
今この時、この瞬間、一世を風靡するグラドル！！
『柊木音海』さんです、どうぞ〜！

『……はい、皆さんこんばんは！
『IDOL★STARDUST』所属のグラビアアイドル、
柊木音海です！まだ世間にあまり認知されていない
新参者ですが、どうかよろしくお願いします〜！」

ーーよろしくお願いします〜！
いやいや、そんなことないですよ〜？最近では
アイドル人気ランキングにおいて、10代から
20代枠ではTOP10に入る程の人気者じゃないですか〜！

「いえいえ……私なんてまだまだですよ。
ファンの皆様方が支えてくれて、私を『必要』として
くれている方々が居るから、今この番組にも
出させて頂けている訳ですし……」

ーーいや〜、柊木さんは結構謙虚な方なんですね！
そんなファンの方々からの評価が高い理由も
一目瞭然、ってところですかね？

番組に送られてきた手紙にも、
『おとみんはクールで謙虚な部分があって歌声も透き通ってハートを突き刺すような感じでカッコいい反面、萌え声も出せるしそれも可愛くて電波ソングも様にあってて、極付にグラビア活動では16歳とは思えない身体つきと色気を見せる「三重のギャップ」がもう本当にたまらないんです！これからもずっと応援してます！！』
という応援メッセージが届いているようです！

「あはは、、照れちゃいますね、なんか……
そんなに応援してくださると、私も
頑張らなくちゃって思いますね！」

ーーでは、そんな鰻登り中の柊木さんの、
様々なお話を聞いていきましょう！

※ラジオ番組は続いていく。

ーーへ〜！意外ですね、運動が苦手でダンスも激しい動きが
あまりできないと……なんだか私が勝手に想像していた
イメージとはちょっと違って、可愛らしいですね！

「か、可愛らしいですか……？ちょっと、
コンプレックスなんですけどね……あはは」

ーー運動は昔から苦手だったんです？……
そういえば、柊木さんがアイドルを
志す前のお話とかって……何かありますか？

「……昔……ですか……
……うぅ、ん……えっと、その……」

沈黙の数秒。気まずい空気が流れる。

ーーあ……えっと、すみません！無理に
話さなくても良いんですよ、誰しも
話したくないことだってありますもんね！

「……あはは、すみません……あんまり、
ポジティブな記憶が無いもので……ですけど！」

ーーはい？

「今はすっごく楽しいんです、こんなにも
私の事を必要としてくれる方々が居てくれて、
皆様方が私を支えてくださるから、今の私が
ここに居るんです。だから……アイドルでいる限りは
全力で、私の『命』をファンの方々に捧げる覚悟で
活動していきたいって思っています！」

ーーお、おぉ、、すごい覚悟ですね……

「ええ、例えこの身が弾けようとも、砕けようとも、
私の持つ力と命全てを、私を必要としてくれる方々に
捧げる覚悟で、これからも頑張っていこうと思います！」

ーーいやー……これはまさに『千年に一人の逸材』が
現れたような予感がしますね〜……でっでは！
沢山お話しをしたことですし、それではですね！
今日はなんと、最後に！最近リリースされた
柊木さんの新曲『To you dear』を
今回、今から流させて頂こうと思います！

「直訳で「愛しきアナタヘ」。
ファンの方々様への想いを胸に秘めて、
収録に臨んだ『本気』の曲です！どうぞ！！」

日付:2021年12月26日

日記をつけ始めてから、もう半年が経った。
アイドルデビューしてからつけ始めた日記。
最近は本当に忙しくて、毎日書く余裕もなくなっちゃった。
だけど、それだけ今が幸せだっていう『証明』
なんだって、恋亜さんが言ってくれた。

聖夜のクリスマスライブも大成功したし、
実際、本当にその通りなんだろうなぁ。

……まあ、昔みたいな『地獄』よりかは。
何十倍も、何百倍も……幸せ、かな。
……だけど、でも……そんな今の私でも。

まだ、私は『奴隷』のままなんだなぁって。

……………
ネガティブな話を書くのはやめようって、
前から決めてたんだった。こんなのはやめよう。

そういえば、私と同時期に世間に出始めて、
テレビに出るようになった彼女……確か、名前は……
雨倉琴音ちゃん。あの娘、ちょっと気になるな。
今の関係性としてはまだ、事務所で少し
すれ違ったぐらいなんだけど、いずれテレビで
同席する事もあるかもしれないし、どこかで
仲良くなっておきたいなぁ……って、思ってる。

それに……なんだか、可愛いし。正直好きかな……

日付:2021年12月27日

久しぶりにお休み。今日は恋亜さんと久々に遠出した。
東京内を巡り歩いたりショッピングしたり、
初めて東京スカイツリーに登って、景色を眺めた。

すっごく綺麗な夜景だった。

なんだかあの夜景を見ていたら、これまでの私の人生を
振り返りたくなってきたんだ。地獄しかなかった、
あの頃の私自身を。それでも、思い出したくなったんだ。

…………

私は気づいたら、日記と記憶を振り返っていt……

……文字が震えて、紙が濡れちゃう。
今日はもう、書くのは止めて寝よう……

日付:2021年6月21日

FHから救い出されて早半年。
私は、ライブハウスでスタッフとして働いている
UGNのイリーガル、舞月恋亜さんに引き取られた。
かつて私は日常を何も知らなかった。初めて
アイドルという存在を見た私は、いつしか……
「憧れ」という感情を抱いていた。

でも、私が到底なれるものだとは思ってなかった。
だって、私は必要とされない存在だったから。

孤児として捨てられた後、FHに拾われた私は実験体として扱われるようになった。そうして酷い実験の数々の末に……私は『雷神の槌』という遺産を身体の中に埋め込まれた。そうして、私はFHチルドレンとして、数々の実験で否が応なく削り取られた命を、自ら更に削るように闘ってきた。

UGNの面々を幼い頃から沢山殺してきた。
私の手で、何百人と殺してきた。
その感覚は今になっても忘れられない。

それに対しての罪悪感は、感じることはもうできなかった。そんなことよりも……私より立場が上の人。エージェントやセルリーダーさんに「必要」とされたかった。それが私の欲望だった。その為なら、自分の命を死ぬまで削る事なんて軽々と行えた。

……けど。そうはならなかった。

14歳の頃。酷使し続けた私の身体は、いつしか崩壊寸前までに
なってしまった。戦闘もまるで思うようにできなくなってしまうほどに。

本来の力を失った私は、必要とされなくなった。
私は捨てられたんだ。そうして、今度は。
FHの『奴隷』として、誰かの欲望を満たす為の。
……即ち、道具として使われるようになった。

ある時は暴力。ある時は性欲。ある時は玩具。
何度も何度も、酷い目に遭わされた。

四肢を鎖で繋がれた私の身体は、誰かの所有物として。

……でも、それでも。私を使ってくれる人が
いるから、心だけは壊れずに済んだんだ。
必要とされてはいなかった。けれど、
使ってくれるだけで……私は十分だった。

だって、もう私は使用価値の無いはずの存在。
それを無理矢理何かしら使ってくれる人達が
いるから……私は、なんとか自分自身を、
錯覚、洗脳させることができたんだった。


……今から半年前、16歳の誕生日の日。
1月1日、私が所属していたFHはUGNによって
壊滅させられる。その時に私を掬い出して
くれた人こそが……舞月恋亜さんだった。

……掬い出してくれた後、UGNに保護されて。
私は本来の「日常」を知った。
オーヴァードを殺して、奴隷として扱われた日常とは違う、本来の世界の日常を知った。私は……その時に、自分自身が「異常」なことに、ようやく気づいた。

正直、気づいたら精神的な病も身体的な病もあったりして、暫くは苦しかった。辛かった。FHにいた頃の夢を何度も見たり、フラッシュバックしたりして、何度も泣きじゃくって、酷い時には吐いていた。けれど、恋亜さんが私を引き取ってくれたから、なんとか立ち上がることができたんだった。

「もう、貴女は奴隷なんかじゃない。
誰かに必要とされるような存在になれるよ」
そう、恋亜さんが言ってくれたから。今の私がいる。

……今日、私はアイドルデビューする。
観客席には、私を必要としてくれる方達が、
ペンライトを持って待ってくれている。

……行かなきゃ。
今日までに必死に覚えた自己紹介や
曲の歌詞、ダンスの振り付け。そして、
同様に必死に身につけた歌唱力。
それを今から、ステージの上で披露する。

……今日から、私は変わるんだ。
誰かに必要とされる存在へとーー

有形ランペイジ - QUI feat.mami MV