●一年前に巻き込まれた事故
解斗には「桐野 檜（きりの ひのき）」という婚約者がおり、近い内に籍を入れる予定だった。
解斗は一年前、檜とデートに出かけていた。
彼は給料三ヶ月分の婚約指輪を胸に忍ばせ、デートの終わり際に渡す予定であった。
予約していたフランス料理のディナーを食べ終わった頃、解斗は意を決して指輪を取り出そうとした、その瞬間であった。
突如レストランを猛烈な爆風が襲い、全てを消し飛ばしていった。
それを合図に無数の怪物の群れが店内に侵入、客も店員も尽く殺害されていく地獄絵図。
解斗が最期に見たのは、キミに手を伸ばすも届かず怪物に飲み込まれる檜の姿であった。

目を覚ますと、解斗は病室のベッドに居た。
全身の痛みと、おぼろげだが確かに脳内に存在する凄惨な記憶、絶望に染まる愛する人の表情。
頭を抱え慟哭する解斗の枕元には、檜によく似た雰囲気の少女、"イングレス"草田織枝が座っていた。

●桐野 檜（きりの ひのき）
解斗の婚約者。25歳女性。A型。155cm46kg。書店勤務の女性。
おっとりした性格。食事が好きで美味しそうに食べる様は誰にも負けないと自負している。
解斗とは幼稚園の頃からの幼馴染で、近所でも「将来絶対に結婚する」と断言される程の仲良しだった。

●草田織枝
解斗曰く、織枝は高校生の頃の檜に見た目・雰囲気がよく似ているらしい。
理由はよくわかっていない。