一冊の本を取り出し、数枚のページを千切り投げる。
それは挿絵であり、王子様、黄金の鳥、狐の姿が描かれている。
『愚直な王子と呪われた狐、そして彼らを照らす黄金の鳥！カースゴールド！』
3枚のページが重なり合い、翼の頭上から通過していく。
変身が完了し、周囲には黄金の翼が飛び散る。
「ふぅ……さて、行きましょうか？」

「そこまでですよ、空白の使徒」※金色の羽が舞い降りる
「全く、また貴方達は同じことを繰り返すんですね色彩の勇者たち」高いところから見下すやつ
「そこで見ていなさい、戦いとはこのようにやるのです」飛び降りてくる
「今ですよ、にいさ……湊！」

現実世界での矢島 翼は湊や唯鈴と兄妹関係ではない。
孤児として生まれ育った翼はFHに引き取られチルドレンとなった。
しかし誰とも繋がりを持てなかった翼はまたたく間にジャーム化し、醜い鳥の化け物になってしまう。
「自分に大事な人がいたらこうならなかったのではないか」
そう悔いながら眠りについた翼の見ている夢が、この世界での矢島翼である。
備考：黄金の鳥の狐は、王子に何度も自分を殺すことを要求する。
それは、呪いにより姿を変えられた自分が元の姿に戻るためにどうしても必要だったからだ。
翼にとっては、殺されることで人に戻り死ねるのではないかという淡い希望を抱いている。
また、ジャームと化した際に湊と透の大事な友人の命を奪ってしまっている。