コードネーム『黒渦土“クローズド”』
本名、禍野 紬(まがの つむぎ)
傲岸不遜、傍若無人、唯我独尊。
UGN支部長としての務めは果たすが、上司にも部下にも一貫して傲慢な態度を崩さない。
「私が貴様の言うことを聞く道理などない」
「助けてください、ではないのか？」

オーヴァードに覚醒したのは、20年前の事件直後。
14歳、中学生であった彼女は母親からネグレクトを，再婚相手からは虐待を受けていた。
行き過ぎた虐待で死亡した彼女はオーヴァードに覚醒し、両親を虐殺した。
その後は孤児院に入り、3年後にUGNに入ることとなる。
「圧し潰すのみ。私の前に立つものは全て」
「今尚生きている。それこそが私の指示に従うべき理由だ」

損耗の激しいチルドレンやエージェントたちには期待していない。
危険な仕事は任せず，索敵と情報収集に終始させている。
そういう意味では，前線に出している部下には期待しているといえなくもないだろう。
頻繁に調達判定を行って防具や治療道具を用意しているが，それらは基本的に部下に使用するものである。
「使えん部下どもだ。肉壁にするにも非効率」
「貴様は何故自分がここにいるかを理解していないようだな？　己の役割を全うしろ」

霧谷雄吾とは、中学時代の同級生でもある。
己の虐待痕を気にかけるように声をかけ、助けようとしてくれた思い出がある。
だが間に合わなかった。
結局は死んだのだ。
彼に多少の思い入れはあるが、気にかけるような態度は気に入らない。
「……そんなのだから、お前は間に合わないのだ」
「阿呆め」

重力操作で相手を押しつぶし，斥力で防御する。
バロールらしいオーソドックスな戦闘スタイル。
能力発現時には，黒い魔眼が渦を巻くように変形して相手を包みこむ。
故に，黒渦土“クローズド”。
中に閉じ込められた対象は，握りつぶされたようにひしゃげているという。

「　私が　」
「　誰を，大切に　想っている　と　？　」
「　他人を　己より重く扱うなど　」
「　ありえない　」

「　その喉，ない方が生きやすいと見える　」
「　潰してやろう　」

支部長リヴァイアサンのこと好きなんでしょ～とか言ったチルドレンは，二度と支部に顔を出すことはなかった。

「なんだ，貴様」
「とんだ覗き魔だな」
「安心しろ。苦しまぬよう即死させてやる」