目が覚めた時、UGNの施設で治療を受けていた。
覚えているのは、影で顔が分からない誰かに抱えられていたこと。
そして、崩壊していく館と炎の中に倒れるいくつもの人影。
身寄りも記憶もない自分はそのまま保護され、UGNチルドレンとして育てられた。
その教育機関で出会った友人に〔｜荒神《アラガミ》ロキ〕という名を与えられ、
それから人としての実感を得た。
よくは覚えていないが、テレーズ・ブルムに命を救ってもらった。
何から救ってもらったのだろう。

長く過ごしていのでUGNを自分の居場所、そこにいる人間を家族のようなものだと思えるようになった。
他のUGNチルドレンにイタズラをしたり世話をしたり毎日を楽しんでいる。
｜恩人《テレーズ・ブルム》へ報いるため、自分の記憶を取り戻すため、家族を守るため、
どんな任務だろうと全力を尽くして遂行するようにしている。
｜彼女《テレーズ・ブルム》のためなら、この命だって惜しくない。
心の底からそう思っている。


最近感じるようになった、何かを破壊したときに生まれる暗い喜びから目を逸らしている。