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設定三行

・かつて“N市の覗き幽霊”と呼ばれていた少女
・その実態は、覗き・盗み聞きが大好きなただの変態不審者女子生徒
・UGNに捕まった後、監視対象兼イリーガルとなる

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“N市の覗き幽霊”

　数年前、N市にある噂話が広まった。それは、N市の各地で覗き込んでくる少女の幽霊が出るという話だった。ある者はお風呂に入っている時に視線を感じたと言い、ある者は階段を上っている時に視線を感じたと言い＿＿＿その話は多岐に渡り、幽霊の実態を誰も特定できなかった。UGNを除いては。
　オーヴァードが関与している可能性を考えたUGN・N市支部は、数週間の調査により彼女を特定した。特定された彼女は必死に逃走を図ったが、公園で疲れ果てて寝ているところを発見され、確保された。

変態不審者女子生徒

　彼女の実態は、端的に言えば覗き魔である。覗くものに関しては最早どうでもよく、覗くことに重きを置いている筋金入りの変態である。その覗きは一般社会だけでなく裏社会にまで手が伸びており、N市内だけならば裏社会の事情を8割以上を把握していた。録音記録や撮影された写真等物的証拠はなかったものの、彼女の供述した内容を調査した結果、彼女の持つ裏社会の情報がほぼ間違いないことがわかった。
　このことを知ったUGNは、彼女の力はいつか必要になる可能性が十分にあると判断した。捕まったことで精神的に弱っていた彼女は、UGNに協力することを条件付きで承諾したのだった。ちなみにその条件とは、「警察に届け出ないこと」と「自分がやっていたことを家族に伝えないこと」だった。最初から外部に彼女のことを漏らす気のなかったUGNは、彼女の条件は簡単に飲めるものだった。これ以降、彼女はUGNの監視対象かつ協力者（イリーガル）となった。

現在

　現在、彼女は高校1年生となった。たまにUGNからの依頼を受ける程度で大きな事件に巻き込まれたことはなく、ほとんど普通の学生として日々を生きている。しかし、彼女は“覗き”をやめていたわけではなかった。それは彼女の欲望に通ずるものであるが故に、完全に止めるのは難しかった。

「いや、違うんですって。我慢のし過ぎも良くないかなって思いまして……」

「その、あの……たまには発散を……ね？」

秘密兵器と相棒

　彼女の父親は貿易業を営んでいる。彼は仕事先で面白いものがあれば買っていき、娘にあげていた。ほとんどはガラクタのようなものだったが、中にはEXレネゲイドが含まれていた。彼女はそういったものを自然と選択し、それらをおもちゃにして遊んでいた。それが彼女の秘密兵器である。
　彼女のおもちゃの中には、特別なものの中でも飛びぬけて特別なものが１つあった。それは、まるで人のように精巧に作られた人形だった。ミミと名乗ったその人形は、所謂“呪いの人形”だった。最初こそ彼女は怖がったものの、案外優しい上に知識にも長けたその呪いの人形に惚れ込み、いつしか師匠と呼ぶほどの存在となった。小さい頃は師匠と呼んでいたが、今は普通にちゃん付けしている。たまに師匠と呼んだり、先生と呼んだりしている。

「ま、このミミが育てたんですもの。これくらいできなくては話にならないわ」

「そんな言い方しないで、たまには普通に褒めてよミミちゃ～ん♪」

「……別に褒めてなんていないわよ」

能力について

　彼女の能力は、要約すると“目を盗み、目で盗む”能力である。“目を盗む”とは、意図的に人の視界から外れることができ、視界に入っても見ることがうまくできなくなる能力である。また“目で盗む”とは、見たいものがどんな場所にあろうとも見ることができる能力である。
　一見無敵の能力のようにも見えるが、弱点は多く存在する。目を盗む能力は、一度でも完全に自身の存在を見つけられると意味をなさなくなってしまう。そのため、見つかってしまったらもう一度完全に身を隠す必要があるのである。目で盗む能力は、自分が把握している場所しか見ることができない。また、見ている間は空間がその場所と繋がっているため、思わぬ反撃を食らう可能性も十分にあり得る。他にも、トライブリードであるが故の出力不足や戦闘能力の貧弱さ等、弱点は多岐に渡るため、本人の実力で様々な面をカバーしなければいけない。
　それらをカバーするのが秘密兵器と相棒のメメである。場所の状況把握や現場でのサポートは秘密兵器のおもちゃ達が行い、知識・戦術的なサポートをメメが行う。これらにより、彼女は情報屋としての地位を何とか確立することができたのである。できたというよりかは、できてしまったと言った方が正しいのかもしれないが……

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