実は彼女の説明通り、かつては人間で【古代種】のオーヴァードである。不老の存在であり、相応に長く生きた魔女
　それこそが『かつての黎那』である。計測ではハヌマーンとバロールだったらしいが、断定不能の状態だったという
　当時から現在と同じ戦闘スタイルに加え、敵の攻撃を直前で相殺・無効化するなど、強大な魔女らしい存在であった

　そんな強力なオーヴァードだった彼女だが、ウロボロスが表舞台に再出現した直前に何者かによって致命傷を負う
　当時の彼女を殺せるオーヴァードは一握りの者だが、厳密に誰かを断定できないほど、集中の間隙を突かれたのだ
　即死こそ防ぎ、その場を乗り切ったものの絶命は避けられず、このままでは人知れず死に絶えることになると判断
　運良くレネゲイド設備のある場所へと転移し、その場で自らのレネゲイドと技術その他を使って、新たな器を作成
　その器に自らの人格などを転写し、事実上【｜転生者《リィンカーネーション》】のような状態。つまりレネゲイドビーイングとして再誕した
　ただし無茶の代償もあってか、かつての実力をほとんど失った挙句、存在を最適化した際にウロボロスの復活が直撃
　断定不能なシンドロームがウロボロスという形で完成し、プランナー率いるゼノスから目の敵にされる状況へと陥る
　弱ったままではFHを使う訳にもいかず、昔の知り合いである霧谷雄吾を頼ってUGNに所属することにしたのだった
　
　名前の『黎那』は、いまの器になってから名付けたもの。『レイ』＝『ゼロ』、再スタートというつもりなのだとか
　その他の部分は、今の自分を見てぱっと思いついただらけで意外と雑な名付けらしいが、慣れると気に入ったらしい