容姿・経歴・その他メモ
【パーソナリティ】
ゼノスに所属する人間のエージェント。
各地を放浪しながらプランナーの提示するプランの下に、レネゲイドビーイングを脅かす人間や組織の処理を行っている。
人間でありながらゼノスに加担し、標的となる者の言葉には一切耳を貸さず無慈悲に命を奪うそのやり方は人間からすれば非常に異質であり、多くの組織から危険視されている。
────「人間が抱く願い、祈り。何もかも下らない。私に救いを求めた沢山の人間は、その誰もが私を救ってくれることはなかったもの」
生まれはロシアのとある貧民街。
生来備わっていたエンジェルハイロゥのシンドロームにより頭に光輪を携えていた彼女は、産みの親には気味悪がられ教会に捨てられることとなる。
その後は教会の神父に拾われ育てられたものの、その扱いは人間に対するそれとは大きく異なっていた。
神父は光輪を持つ彼女を文字通りの天の使いだとし、人々から献金を集めるためのイコンとしながらもその裏では最低限の食事しか与えない、資金集めの為の物のような扱いを与えていた。
やがて時が経ち、彼女に転機が訪れる。
彼女が天の使いでもなくただの少女であることに気付き始め人々の関心が薄れ、それによって教会への献金が見込めなくなると、多額の資金と引き換えに保護団体を名乗る組織に買い取られることとなる。
その組織の正体は非道な人体実験も厭わないギルド傘下の研究組織であり、彼女が買い取られたのもまた実験体として用いるためであった。
しかしながら既に人を信じられず、組織の保護にも不審を抱いていた彼女は、彼らの支配下からの脱出を画策する。
輸送航空機の貨物室の中に閉じ込められ運ばれている最中。懐に自らのレネゲイドを込めた十字架を刃として搬入口のロックを破壊し、上空から飛び降り脱走を行った。
次に目を覚ました時に有ったのは古びた和式建築の天井。そして優しく語り掛ける彼の声だった。
【プロフィール】
貧民街の生まれながらどこか高貴な血筋を感じさせる端正な顔立ちに透き通るような艶やかな白髪、見透かすような蒼い瞳が特徴の女性。
生来より人間としての真っ当な扱いを受けたことがない彼女は人間に対して強い不信感を抱いており、動物やレネゲイドビーイングといった人ならざる者には優しく親身な姿勢を取るものの、こと人間に対してはその言葉の端々から嫌悪感を滲ませるような冷淡な対応を取る。
数年前までは人目に付かない山奥でレネゲイドビーイングである雪と暮らしており、彼の人間との歩み寄りを行わせるためのはからいや気遣いもあり少しずつ人間に対する不信感は薄らいでいた。
しかしレネゲイドビーイングを狙うテロ組織の襲撃を受けて山が焼き払われ雪が殺害されたことをきっかけに人間への嫌悪は決定的なものとなり、その感情は憎悪にすら近いものとなる。
それ故に現在の彼女はレネゲイドビーイングを守り、彼らに害成す人間を切り伏せるゼノスエージェントとなっている。
────「私は貴方達とは違う。私はただの一度も、人間だったことなんてないのだから」
何故人間がレネゲイドビーイングの味方をするのか、と聞かれれば彼女は常にこう答える。
事実、幼年期を都合の良い偶像として扱われ、果てには実験体として売りさばかれた彼女は誰かに人間として扱われたことなどなかった。
精霊たちが心に宿していたのは無垢なる精神と純粋な好奇心。しかし今の彼女の心の奥底に満ちるのは憎しみ、怒り、悪意。
レネゲイドビーイング達の持つそれとは決定的に異なる黒い感情は己を突き動かす動力となると同時に、それは人間だからこそ抱く感情であり自らの本質が人間であると強く認識させる。
人と袂を分かちながら、レネゲイドビーイングで在ることもできず人間であることを認めることもできない狭間の存在。
実に人間らしい彼女は己の人間らしさに苦しみながらも、人ならざる彼らを守り続ける。
【シンドローム】
エンジェルハイロゥ、ノイマン、ブラム=ストーカーのトライブリード。
3つのシンドロームの性質を保持しているものの、ノイマン、ブラム=ストーカーの能力は知覚と身体能力の僅かな向上に寄与している程度であり、彼女の能力の大部分はエンジェルハイロゥの性質を主とするものとなっている。
特に彼女は光を濃縮することに秀でており、光を集めて己が望むままの形に変えることが可能。
生まれ持っての能力により頭上に備わっていた光輪は、現在ではレネゲイドコントロールにより隠すことが出来るようになりそれが現れるのは能力を発動する時のみとなっている。
元より彼女が操ることが出来たのは、通常の性質を持った光。しかし今の彼女が操るのはあらゆる光を通すことのない帳のような闇であり、後天的にレネゲイドの性質が変化した変異種のオーヴァードである。
レネゲイドコントロールによる闇の濃縮を用いて生成した黒い十字架型の刃を降り注がせる戦い方を主としており、その時の彼女の頭上には同じく闇を濃縮したような黒い光輪が現れる。
十字架には呪いにも似た性質の対象のレネゲイドを直接破壊する能力が備わっており、それによって磔にし無力化を図った相手を刺剣を用いて命を奪う、といった手法を取る。
そのレネゲイドが変質したきっかけは雪の死。彼を失う絶望の前には彼の言葉は虚しく、溢れ出す憎悪はその心を黒く染め、祝福の光は呪いの闇と成り果てた。
たとえ彼女の心の闇が取り除かれようとも再び光が白に染まることはない。実に人間らしい憎悪という感情を映し出した、その黒こそが彼女が人間であるという事の何よりの証左なのだ。