雷を生み出し操る能力。
それだけのシンプルな能力だが、天性のRCセンスと圧倒的な出力から、並のオーヴァードでは歯が立たないほどの実力を有している。夕雨とか焔の雷属性バージョン。
出力が過剰すぎるため、普段は能力の使用をセーブしている。


戦闘時はセーブしていた力を全て解放し、圧倒的な電力で全てを焼き払う。防御も意味を為さないほどの超火力を有する反面、出力が高すぎて自身の肉体もそれに耐え切れず、身体が半ばプラズマ化している。それもあって戦闘中は繊細なRCを求められるため、それ以外の行動はマトモにとれなくなる（移動不可フルオープンの理由付け）。

14年前、UGNナポリ支部に所属していたとある女とカモッラ（イタリアマフィアの一種）に所属していた男が、互いに立場を隠してこさえた子供がパルスィである。彼らの思惑がいろいろ重なった結果、パルスィはUGNチルドレンとして育てられることとなる（当時未覚醒）。


数年後、ナポリ支部と父親が所属していたカモッラファミリーによる抗争が勃発。その頃には、彼らのファミリーはFHに半ば乗っ取られていた。パルスィの両親は戦闘の最中で邂逅し、そこで初めてお互いの隠された立場を知ることになる。
その場でどのようなやり取りがあったかは現在では定かではないが、結果として、パルスィの母親はUGNを裏切り、カモッラ側についた。

その光景を見た幼いパルスィが感じたのは、『義務感』だった。
『ママが間違ったことをしようとしているから、止めなきゃいけない』
その想いが呼び水となって彼女は覚醒し……能力の制御が出来ず、勢い余って両親もろとも敵全員を焼き殺した。

明らかにやり過ぎではあった。だが、支部の面々はパルスィに助けられたのも事実であり、それ以上にこの幼い少女に恐怖した。
だから、周囲の大人たちは皆が彼女を肯定した。パルスィは、その肯定を盲信した。
彼女の思想・性格は、『この時の経験が正しかった』という前提で形成されている。
その後、チルドレンとして活動していく中で、彼女の思想は改革派の急先鋒としてどんどん極端に偏っていくこととなる。唯一の救いは、彼女の性質が底なしの善性であったことだろう。


そして更に数年後、コードウェル博士の帰還後日本が激戦区となったこともあり、パルスィも悪の元を断つため日本行きを熱望。貴重な戦力を手放したくないナポリ支部と少しでも戦力が欲しい日本支部との間で様々な政治的駆け引きが行われたが、最終的にはパルスィの熱意に押される形で、期限付きではあるが日本へと移籍した。

そして現在に至る。

Giove。
直訳するとイタリア語で『木星』だが、同時にローマ神話に登場する、雷を司る神であるユピテルのイタリア語名でもある。
なお、ユピテルはギリシャ神話の最高神、ゼウスと同一視されることもある。