契約履行の日に突き放すように言う。

ええ、ですから最後に...「さよならを言いにきた」

そのメフィストは花としては異常な程長命であったが、人の目に付かず、ただ淡々と咲き誇っていた。
偶然物思いに耽り、道に迷ったとある男の文人に見つかるまでは。
彼はそのメフィストを何故だか気に入り、観察を続け、その異常に気づいた。

枯れないのである。
何年経とうとも、その花は衰えを知らないように咲き続けていた。

文人はある時、その花から着想を得て戯曲を書いた。
その花の虚無だと言える程に永遠に続く美しさを愛するような悪魔を描いた。
そして文人はその悪魔の話を延々と、ただ延々とその花に向けて聞かせたのである。

やがて花は文人を看取った。
それからニ百年の時を経たある日、花はレネゲイドビーイングとして覚醒し花であることを辞めた。
生まれた瞬間の自意識は「自分は悪魔“メフィストフェレス”である」という妄想に埋め尽くされていた。

その実、本当の悪魔ではなく、只の植物を原初とするレネゲイドビーイングであった。
証拠にほら、名前が「メフィストフェレス」ではなかろうに。

おまえは「メフィストフェレス」の愛する虚無の永続に最も近しい...
いや、いや待てよ...あぁきっと、いや必ず！おまえがおまえこそがかの「メフィストフェレス」なのだ...ッ!!
...なんてな

メフィストペトレスは様々なオーヴァードと契約を結んで果たし、ある日UGNと接触した。
殆ど危険のないレネゲイドビーイングと判断され、現在は様々な支部を渡り歩いている。

とある神に命じられ、只の花であった頃から隼は花を見ていた。
男に見つかってからもずっと。
そしてヒトの形と思考を手に入れた時、隼は花であったモノに最初の契約を持ちかけた。

契約主の欄には「ヒプノス」。
契約者名の欄には「メフィストペトレス」と書かれていた。

性格：表面上は丁寧で心優しい、が前に出さないだけで基本は“悪魔”
一人称：私、稀に崩れて俺
好き：虚無、虚構、虚ろ
嫌い：成長、進歩、前進
趣味：契約履歴の読み返し
見た目：基本的には礼服に銀の長髪
戦闘スタイル：天空の隼に頼りきり

メフィストはバラ科の常緑樹。本種はフランスで作出されたフロリバンダ系の園芸品種である。樹高は0.8～1.2ｍ程度。
四季咲き種で、花は半八重咲き丸弁椀咲き大輪種（花径8㎝程度）、花弁数は9～16個程度である。
花色は赤色～暗赤色で、開花時には微香を放つ。

「メフィストフェレス」という悪魔がインストールされた植物“メフィスト”のレネゲイドビーイング。
自身が悪魔であると信じてやまない可哀想な怪物。UGNで保護されているし怖がられてもいない。
契約としてヒトに手を貸すものの、その力は普遍的であり、求める代償は少量のレネゲイドだけで実際には何もないに等しい。
内側は悪魔そのものだが、認めた他人相手には基本的に丁寧に接する。

上位の存在でもない癖にそのプライドだけは一級品である。
ちなみに見た目は幼子で声は成熟した男性という組み合わせであることが多いが、見た目も声も変更可能である。

それでは「さよなら」です、契約者様―――契約履行の日、別れの挨拶

CoC「さよならを言いにきた～造反のカタストロフィ～」：メフィストフェレス
ハズビンホテル：アラスター

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