容姿・経歴・その他メモ

黒髪のロングヘアにつり上がった眦をした、気の強そうな少女。
友人が少なく、常に窓辺で哲学書を眺めて過ごしている。あまり、自分のことを語りたがらない。

現在の高校には一年次に転入してきた。以前いた高校ではたびたび問題を起こしていたとされているが、現在は大人しいもの。それでもたびたび授業を放棄し、屋上にいることがある。現在の生活に不満はないが、与えられなかった多くのものが、彼女の中に風穴を穿っている。

「西嶌流拳勁術」なる古武術の道場を経営する父の元に生まれた、望まれぬ少女。
愛どころか、憂と付けられた名前がその生まれを語っている。生まれて落胆されて以降、ことあるごとに両親からの疎外を受け育ってきた。
最初は武術を指導していた父親も、その基礎すらも真面にこなせぬ憂を親戚一家に託し、今では離れて暮らす始末。親からの愛情を知らず、預かられた先でも浮いた扱いを受け、養父の粘ついた視線に耐えながら、息を潜めて人生を過ごしていた。

誰にも話していないが、凄まじい身体能力を持つ。
武術の指導、薫陶は全て身体に染みついており――ただ、それを教えの通りに発揮すれば人を殺すということを察したが故、あえて出来ない振りを通していたというのが事の真相である。

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