イブと共に、世界中を移り住む旅を続けて今に至る。
ここ数年はほとんど日本で生活している。
ちょっとした観光から、困っているRBの手助けなどなど。
戦闘スタイルも大きく変わり、元は槍を形取った稲妻を射出する遠距離戦を得意としていたが、大切な人を守れるようになる為に近距離戦をするようになった。
最近の悩みはお酒が飲めるようになってから始まったお酒巡りで酔っ払ったイブにベタベタされすぎて恥ずかしい事。

「……最初はね、あなたで、誰かと関わるのは最後にしようって思ってたの。だから、リョウ。漢字にしたら終了の了だったんだけど、可愛くなかったから、カタカナで、リョウ」

「でも、リョウとずっと一緒にいるうちに…………あなたと、離れたくなくなっちゃった」

「だから、もう1個名前を付けたの」

「それが、『環』」

「何回離れたって、何回でも巡り合えるように。また、始められるようにって」

「それにね？」

「⋯うん。」

そう言って、彼女は空中に光の線を描く。

そして、光の始点と終点を指さして、言う。

「こっちが私でしょ。で、こっちがリョウ。真っすぐな線の上じゃ、始まりと終わりは一生交わらない。でもね」

彼女の描いた線が丸みを帯びていく。丸く、円く……やがて、その線は、環を形成し……『始まり』と『終わり』が。

『イブ』と『リョウ』が……重なった。

「こうすれば、一緒にいられるでしょ？」
頬を赤らめ、悪戯っぽく笑う。

「だから、あなたは環リョウ。何よりも大切な、私のだいすきなひと」

満天の、星空のような。

そんな笑顔から溢れ、零れ落ちた双青を、星の器が掬いとる。

⋯ずっと一緒。ずっと一緒だ。

始まりから、終わり⋯⋯そして、始まりまで。

「⋯イブ、イブ。絶対に、ずっと一緒だよ。」

「ええ、約束……ううん、絶対よ、リョウ」

「私たちは――ずっと一緒！」