容姿・経歴・その他メモ

経歴を一言で表すのなら、「元天才」となる。

恵まれた知能を持って恵まれた家庭に生まれた彼は、恵まれた環境を与えられてその才覚を伸ばし切る事となった。
結果として彼は周囲の期待には十二分に応え、年若くして海外の大学の博士号を得るにまで至る。
周囲も家族も皆、彼の才能の飛躍を喜び、称賛したが当の本人は何一つとして満たされることはなかった。
一を聞いて十を知り、スポンジのようにあらゆる知識を吸収できてしまう彼にとって、世界はとても退屈なものでしかなかった。
周囲の盛り上がりに反比例するように本人の気持ちは冷え込んでいき、かといって自分を育てた両親を裏切ろうとまでは思わず、彼らの為に期待通りのものを返そう、とは思っていたし、そうやって生涯を終えるものだと思っていた。

――転機が訪れたのは彼がレネゲイドウィルスに覚醒を果たしたこととなる。


現在の彼は実家とは縁を切り、日本でイリーガルのオーヴァードとして過ごしている。
かつての神童としての面影はなく、ノイマンの能力によって思考の回転速度を落とした上で、更にソラリスの能力で常時アッパー系のドラッグに浸っているような状態で。かつては味わえなかった、「無知」と「未知」をとことんまで愉しんでいる。
依頼人は選ばず、UGNでも、FHでも、それ以外の組織でもどこからの依頼も等しく受け入れているし、知った情報を尋ねられればどこの組織にだって平気で流す。得られるリターンが上回っていれば、そんな立ち位置でも処理されるより生かされることだろう、と。一筋残った怜悧な思考は、そうやってコウモリ(ダブルクロス)を演じさせている。

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