容姿・経歴・その他メモ

まっしろな世界に生まれた。
パパもママもたくさん愛してくれた。
たくさんお話をしてくれた。
その中で、絶対に忘れてはいけない話。

「オワリザカ」の使命、「古き友人」の話。
死ねない運命を背負った人の話。
でも今は、どこにいるかさえわからない。

「死を与える」ってなんだろう。生きたくても生きられない人はいっぱいいたけど、死ねない人は見たことがない。
でも、自分だけが取り残されるさびしさはちょっとだけわかる。
……会えたらいいな。死ぬ前に、いっぱいお話したいなあ。

【定命者】、その軌跡

第一章【定命者】鳴海重隆から続く千年間の転生者、その最後の一人。
転生した鳴海重隆は、【不老不死】鼓草みどりを救いたいという思いはあれど、転生者として記憶を引き継ぐことに抵抗を感じていた。
「転生した自分の人格はここにある。ならば元の体の持ち主は？」
元の人物の人格を消してしまうことに罪悪感を覚えた重隆は、鼓草みどりを救う手立てを探すと同時に、転生のシステムを変える方法も模索していた。

「二人目」からしばらくのち、鳴海重隆の孫である鳴海沙也夏の創造した砂時計のネックレスに代々の転生者がレネゲイドを込め、自身の記憶を『生まれ変わり』の概念を媒介にしたレネゲイドビーイングと化すことにより、転生の記憶を「人物」から「砂時計のネックレス」へ移し替えることに成功する。
現在の鳴海重隆の人格は、砂時計のネックレスに宿るEXレネゲイドとして定着したのである。
それでも尚自身の宿命を他人に押し付けることに抵抗は残ったが、少なくとも元の人物の人格を残すことができるようになったことは重隆にとって救いであった。



時は過ぎ、砂時計は様々な人々に受け継がれ、百年前の大災害のときも終里坂の人々によって守られた。
最後の人類となってしまった少女も、砂時計と記憶を大切に持ってくれている。
しかし、この少女がかつての妻の名前と同じとは、なんという因果だろう。

まだ役目は終わっていないと、はじめて転生したあのときから君が背中を押していたってことなのかな、真奈。

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