容姿・経歴・その他メモ

　王もその後継も去ったゲールの地を継いだ隻眼の男。
　王の最後の旅路に添うことを許されなかった父の後を引き継ぎ、その旅路を追い掛け、伝説なき地の王座を奪い取った。
　輝くような金の鬣の獅子を友とし、常に傍らへ侍らせている。

　王になるまではその獅子を「大将」と呼び主君として仕えたが、消えた王の行方を探し森へ分け入り、王座を得てのちは彼を従者として扱っている。
　今後のことを見据えてひと前での扱いを逆転させた結果だが、本人はいつも心がちぎれそう。

　騎士としての才をついぞ見いだされることはなかったが、ドルイドに教えを乞い、その技を修めている。
　彼の魔術師としての本領は未来を見据える瞳や天地万物を揺るがす魔の力ではなく、自然と対話する才にある。
　乱れた世を駆けるに伴って楽器を置き、魔導剣を手にしたが、操るものは変わっていない。

覚醒

　男が少年であった頃、闇深き公王の森に単身打ち捨てられ、生死の境を彷徨ったことがある。
　襲い来る狂い竜、動かぬ足、遠のく意識。
　もはやこれまでと自らの死を悟り、現実にその身が喰い破られた瞬間。彼の運命は森の闇の中より現れた。
　黄金色の──遠き月光の輝きを従えた、青眼の獅子。

　片目を裂かれながら竜の腹を噛み千切り、死した竜の肉を喰らい。
　勝利と生存を吼えることなく、獅子はただ少年を見つめてその場に蹲った。餌を与えるでも死にかけの肉を食うでもなく、ただ彼が死した竜の肉を喰らい、命繋ぐこと叶うその瞬間まで。
　このとき少年は、獣の小さな唸り声の意図を正確に読み解き、森の声をも聞き取ったという。
　天地揺るがす力を持たぬ魔術師が、自然と心通わせる力の端緒を手中に収めた瞬間であった。

PC③『城主』
初期ロイス：護民官オジェイ　推奨感情　P:誠意/N:不安
推奨ワークス　領主、貴族、貴婦人

　あなたは今や僻地として捨て置かれたゲールの地を任された者だ。
　先王が隠れ、王子が杳として行方の知れず、ただ朽ちていくばかりの伝説の地を守護するものだ。
　百騎士にその身を窶した王の地と軽んじられたこの地を、責務か、誠意か、或いは血縁という呪いかで残り続けた。

　幾度となく捜索を続けても見出せぬままに時が過ぎる中、知らせは唐突に訪れた。
　ロンバルド将軍を見出した護民官であり、王がその身を隠す以前にその地を託したという恩師。
　彼の地へ赴き、長らく行方の知れなかった護民官オジェイから、館の場所を見つけたと知らせが来たのである。
　その知らせに導かれる形で、あなたは捜索隊と共に公王の森へ向かうこととなる。

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