一条・J・常晴【イチジョウ・ジョスト・ツネハル】
彼の人生は、元から少し変わった所で始まった。

彼の祖父…いや、曽祖父だろうか？今となっては最早過去の話。どちらでも構わないだろう。

彼の先祖は第一次、そして第二次世界大戦時に『M16』と言う諜報部隊に所属していた。

その人物は彼の息子か孫か……つまりは、常晴自身の父親、もしくは祖父に何度もこう言い聞かせていたと言う。

『快男児だ。快男児になれ。お前ならなれる。人を助け、強きをくじき、弱気を救う。そんな快男児になれ』

受け継ぐ様に言われたその言葉だが、現代人の常晴にはいまいち響いて居なかった。それもその筈。世界を股にかけて人を助ける。そんな事が簡単だった戦乱の時代に今はない。同時に科学と言った証明されたものとされていたり。はたまた神の力、神力やチャクラとされていた『異能力』(ヴリルパワーとも呼ばれた)も管理されているからだ。


そんなぼんやりとした意識を抱えながら、常晴は生きて居た。少しずつ、だけど確実に。人を救うと言う事の意義と良さも見出してきた。

だが！その日々は突如として終わりを告げた！

「な、なんなんだこれはッ！ど、どうしてこ、こんなものが…！」

それは、M16部隊の活躍─── そして何より！彼自身の先祖が記してきた活躍を書き残した日記そのものだった！

この日から！彼の憧れは変わった！表立って人を助ける『快男児』でもなく、影で暗躍『諜報部隊』でもない！彼が憧れたのは『裏世界の正義』つまりは『裏世界で力を持つ存在』


そう！某漫画ではないが『ギャングスター』！裏世界で力を持ち、ルールを作り、人々を従わせる！その道に彼は憧れたのだ！