UGNが支援して制作した特注の義足｜"赤い靴"《レッドシューズ》と、車椅子｜"どたばた椅子"《ジャンピングラグ》
車椅子はEXレネゲイドに感染しており、サラマンダーの炎によって生命を吹き込まれ、まるで一つの生き物のように駆動する。義足と連結できる構造になっているため、無茶な戦闘機動でかれんの体が投げ出されることもない。
かれんの戦闘スタイルは、戦闘用にチューニングした｜"どたばた椅子"《ジャンピングラグ》による轢殺である。実は訓練によってオーヴァード空手を修めているが、基本的に車椅子で殴る方が強い(※《炎神の怒り》は技能：【肉体】なので、実は素手でも戦える)。

■■■かれんは、博洲区の裏社会に憚るマフィア一家の娘であった。
しかしながら、今では■■■家の存在を知るものはいない。5年前に、敵対派閥のマフィアが雇ったオーヴァードの工作員によってその存在ごと抹消されたからだ。
工作員の襲撃によって■■■家の屋敷は破壊され、かれんは倒れた石材によって自らの下半身を失った。そしてその場でオーヴァードへと覚醒し、遅れて現場に駆けつけたUGNによって保護され現在に至る。
UGNはマフィア同士の抗争に関与しないが、保護したオーヴァードであるかれんのことは見捨てなかった。マフィアたちにもUGNと争うだけの余力はなく、かれんがUGNエージェントとなり過去を捨てたことによって、彼女の存在は事実上黙認されている。
火乃々宮かれんが自らの過去を語ることはないが――5年前に負った傷は未だ癒えず、憤怒の炎は今も彼女の心を焦がしている。

鞍馬洋一はUGNに保護された当時のかれんの教育係であり、監視役だった。
当初はお目付け役と保護対象の関係だったが、かれんがオーヴァードとして成長するとともに、二人の関係は対等な友人となり、やがて同僚に、そして無二の相棒となった。
かれんは鞍馬洋一に執着している。いつでも未来だけを見据える彼女が過去に縋りたくなるほどに、鞍馬洋一は特別な人物だった。