3年ほど前に古代種のジャームに襲われ、その時に覚醒。
古代種のレネゲイドに感染したため、12歳にして成長が止まってしまう。
成長期を目前とした年齢での古代種への感染は、一般人に隠し続けることが困難であることから、覚醒がわかってすぐに生まれ育った土地から遠く離れた天白市へ配属されることとなる。
両親へは事故で死亡したと告げられ、生家に戻ることはできなくなった。
天白市に来てからはジャームに襲われたことやレネゲイドの存在、そして二度とかつての日常に戻れないショックで心を閉ざしてしまう。
エージェントとして活動できるようになったのは、真壁兄妹が支えになってくれたおかげである。

3年前に家族と引き離され、天白市へとやってきたイツカのメンタルケアをしてくれたのが真壁兄妹だった。
真壁兄妹も両親を亡くしてほどない頃、漸く立ち直ったくらいの頃合いだったが、それでも寄り添ってくれた彼らに引っ張られるように、イツカもエージェントとして戦えるようになった。
特に年齢の近い先輩エージェントの雛とは共に任務に行くことが多く、こなした任務を雛の兄である博人に報告する微笑ましい姿も見られた。
そうして現在に至るまでに、真壁兄妹は家族のような存在になった。
最近になって、博人に対してはライバル意識を向けている。
雛が兄を頼りにすることに、少なからず嫉妬しているためである。
時折、博人に反抗的な態度を取るのを雛に窘められるところもあった。
その真壁博人が死んだという知らせは、イツカにも大きなショックを与えることとなる。
もちろん、知らせを聞いた直後は支部長に散々食ってかかったが、そうやってどうにかなる事じゃないことだというのは、人より少しだけ知っていた。
自分以上にショックを受けている雛のメンタルケアを任され、今度は自分が雛を支える番だと、彼女に寄り添っている。
まだ安否が確認できていない、真壁博人の所在を探すことをやめた支部の大人たちに、不信感を募らせながら。

真壁兄妹のことはそれぞれ「博人」と「雛」と呼んでいる。

モルフェウスのオーヴァードでありながら、物を作るのは苦手。
できることは砂を操り、固めて岩とし、そこから削り出した宝石のような凶器を放つこと。
放った凶器は、レネゲイドの力で制御された武具を結晶化させて砕き、砂へと還す。
“ジュエルボックス"というコードネームの所以である。

外見は古代種に感染した12歳のまま成長していない。
そしてこれからも、成長することはない。

真壁博人失踪について、いなくなった時点で博人に対し、反抗的な態度をとっていたことに引け目を感じていた。
自分のせいでいなくなったとまでは思っていないが、なんとなく喧嘩別れしたような気持ちになっている。
そんな中で、支部長の下した決定に納得することはできなかった。
だって誰も博人がどうなったのか知らないのに、あの性格だから誰かを助けるまで放っておけないだけかもしれないのに、どうして死んだとか、ジャームになったとか、そういうふうに話を進めるんだ。
なんで見つかるまで探さないんだ。助けを待ってるかもしれないのに。今も戦ってるかもしれないのに。
そんな知らせを聞いて、雛がどれだけ苦しむか、考えないのかよ。
それが大人の対応なら、俺は大人になんてなりたくない。
どうなったのか確かめもしないで、もういないものとして扱えだなんて、そんなの飲み込みたくなんてない。
そんなふうに、物分りのいい大人になんて、なりたくない。なるもんか。
こんな感じだと思います。

翠雨-エメラルド・グレイン-
硬度は高いが、割れやすい性質のエメラルドを生成し、砕いた破片で攻撃する。
コンセ砂の刃。
グレイン（grain）……麦粒。

尖晶の嵐-スピネル・バレット-
硬度も割れにくさも高めの尖晶石（スピネル）を複数生成し、弾として撃ち出す。
翠雨よりも硬く、大きい塊を撃ち出す為、破壊力はお墨付き。
複数対象にするには手数が物足りないのがネック。
コンセ砂の刃ストライクモード。

金剛壁の劈開-クリベイジ・オブ・ダイヤモンド-
ダイヤモンドの矢を生成し、撃ち出す。
着弾点を起点にし、対象の一部を結晶化させ、次弾で結晶の性質を利用し砕き割る。
劈開（へきかい：cleavage）……宝石などの特定方向に割れやすい性質。

常に変わらぬ磐は無く-ウェザリング-
各種鉱石を撃ち出し、着弾点から相手を強化しているレネゲイドに作用し、分子同士の結合を解除・分解。
レネゲイドで強化している武器や防具を砂に変える。
上記コンボ+砂は砂に。
weathering……風化。

いつかの未来の為に
忌まわしいものである古代種のレネゲイドを自身の力とし、体に負担なく分子同士のと結合や分解を行う。
上記コンボ+フラットシフト。