彼女以外の全員、村民137名は狂死している。
更に、派遣されたエージェント・チルドレン10数名死亡、4名が意識不明、1名が精神に永続的損傷。
全て“歌”によるものであり、彼女は当初ジャームと疑われていたが、淡雪自身の侵蝕率は正常だったことからレネゲイドコントロールのミスと判断された。

《視界調律》
淡雪の能力。本人はなんとなく直感的に使っており、具体的にどういうものか分かっていない。
“歌”により対象の精神を調律する事で、自身の見ているノイマンの天才的感性によって無意識に捉えた“世界”──常人には耐え難い、異常が支配する世界──を直視させ、精神を破壊する。
強い好意を抱く対象ほど、“歌”の影響が強くなる可能性あり。

この能力が恐ろしいのは、“世界”はあくまでそこにあるものであり、彼女が作ったものではないという点にある。

それは外にあり、常に隣にあるものだ。

【幣野淡雪】
衝動:自傷
特殊発現:対抗種

結局の所。
村における惨劇は、彼女のオーヴァードやレネゲイドに対する無知と、彼女自身が“世界”を“きれいなもの”と認識していたことによる。さらに、レネゲイドコントロール不足によりトランス状態になっていたことで中止できなかったこともあるだろう。

自分が何をしたか、という自覚により精神状態が悪化、ジャーム化する危険があるため、詳細を彼女に伝えるかどうかは議論中。