レネゲイド抑制首輪の存在のおかげで、彼女は常人並びの日常を手に入れることができたが、それと引き換えにつまり「首輪なしでは普通の人のように喋ることすらできない」という、何か自分より上の存在に依存しなければならない運命を強いられることになる。

エージェントA「こちら[データ削除済]、施設内への潜入成功した」
エージェントB「こちら[データ削除済]、各員、周囲の確認を行い、生存者の捜索を優先せよ」
エージェントC「了解しました。しかし何なんだこれ、この…ねっばりとしているのは…」

ぷにょぷにょとした音

エージェントA「大方気色わるぃな、あっちこっちねばねばしているわりに人影ひとりも見当たらねぇのは…」
エージェントC「おいおい、まるでどっかのB級映画みたいな」
エージェントB「お前ら警戒を怠るな、敵がいる可能性も捨てきれないぞ」
エージェントA「はいはい…ん」

通信のノイズ音、何かのざわめき声も交じり合って

エージェントC「どうした、ビビったのか？」
エージェントA「や、なんか聞こえていないか…？」

ざわめきがより一層大きくなる

エージェントA「…女の子の声、唄っている…？」
エージェントB「生存者か？」
エージェントA「わかんねぇ…ちょっと確認してみる」
エージェントB「気をつけろな」
エージェントA「わかってるって…」

唐突の沈黙が挟まれる

エージェントB「おい、どうした？何かあったのか？」
エージェントA「（呼吸が激しくなり、うめき声をあげる）」
エージェントC「どこにいる？！すぐ向かう！」
エージェントA「や、くる、なーー」

不気味なざわめき声が一気に放大される

エージェントC「なにこれ、う、たっ…？」
エージェントB「！通信が何者にジャックされている！切断しろ！」

冒涜的な音色が聞こえる、反吐出す音と何かかぶつける音が交じり合って

エージェントA「星辰が正しい位置につく時、我らの主は深き淵の眠りより目覚める目覚める目覚める目覚める目覚める！」

[データ削除済]