容姿・経歴・その他メモ

雨珠はごくごく普通の家に生まれた。
生まれも育ちも普通に生きていく───筈だった。
その“普通”はある日唐突に終わりを告げた。

その日は、雨が降っていた。
悪天候の中で帰った家は、赤に染められていた。
雷が白く光らせたその部屋の惨状は“普通”に生きてきた少年には口が開けなくなる程の衝撃を与えた。
いつも帰ってきた自分を暖かく迎えてくれた両親は物言わぬ物体と化していた。
そして、その傍で愉しそうに笑う男。
その景色を背に少年は逃げ出した。
雨で冷える体とは裏腹に心に燃えるような激情を胸に秘めて。

それから少年はあまり笑えなくなった。
両親と一緒に自分の感情まで殺されたかのように。

雨珠は内向的な青年に育った。
だがそんな態度でも関わってくれる2人の友人も出来た。
口には出せないものの友人達のおかげで育った心では大きい感謝を抱えている。
この暖かい気持ちを、暖かい居場所を、大事に想っている。

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