10歳の時。

気がついた時には既に研究施設にいた。それ以外は分からない。周りの子供達は、親に捨てられた子、売られた子、誘拐された子と事情は様々だった。

ウチは何も覚えていなかった。親の顔、ここに来た経緯、何一つ思い出せない。もしかしたら、記憶を消されたのかもしれない。

そして始まったのは地獄の日々だった。

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覚醒実験では全身の内側から針を刺されたような痛みを与えられ、私は覚醒した。あのまま死んでいれば楽だったかな。

104→32

能力実験では研究員の満足いくまで力を酷使され続け、何度も何度も痛みを与えられた。
腕が折れても内臓が壊れても何度もなんどもナンドモ。痛い、痛い、いたい、いたい、イタイ。

あんな化け物なって死ぬなんて嫌だ。でも、早く楽になりたい。

32→5

周りの子の心配してる余裕なんてなかった。自分の事で精一杯だった。

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研究施設が襲撃に遭った。
ウチ達は施設を守るために敵を迎撃するように命令された。
みんな形だけ従った。
だって、ようやく解放されるチャンスだったんだもん。みんな同じ気持ちだった。








ウチ達は生き残った。いや、生かされた。
襲撃した人たちはここまで非道な実験がされてる事を知らなかったみたい。

優しい人だった。人の手がこんな暖かいものだって知らなかった。
ウチ達はその人達に連れられて久しぶりに陽の光を浴びた。
誘拐されて2年が過ぎてた。

保護されて2年が経ったある日、ウチ達の恩人はUGNに入ることを勧めてくれた。
ウチ達の事を考えての提案だったみたい。
「今以上の自由があるかもしれない。決めるのはみんなだ。考えて決めてくれ。」

ウチは悩んだ。だって助けてくれた恩人とずっと一緒にいたい。でも、きっと考えて提案してくれたことだっていうのも分かった。


ウチは………

UGNチルドレンになったウチは確かに前よりも日向の中を自由に歩いてる。
好きな服を着て、好きなお菓子を食べて、好きに遊んで、きちんと任務もやる。

これが今のウチの日常。

支部のみんなは一癖も二癖もあってホント飽きない日々だよ。

自由奔放。おしゃべり好き。ファッションにこだわり、スイーツを楽しむ女の子。自分の意思をしっかり持っている。人をニックネームで呼ぶ。

要はギャルである。

しかし、過去のトラウマがあり強い痛みに対して拒絶反応がある。