PC4 W:UGNエージェント／C:指定なし
シナリオロイス:榎戸 樹　推奨感情 P:感服／N:脅威

あなたはUGN日本支部の組織『ARTS(Anti Renegade Terrorism Squad)』に所属するエージェントだ。
『ARTS』は特定の支部に依らず、FHによる大規模なレネゲイド事件が起きた際に各支部と連携して犯人確保や人命救助、二次災害の防止に努める独立部隊であり、あなたと榎戸 樹(えど たつき)はチームメイトとして共に被災地を駆け回っていた。
あなたを含めた多くの負傷者を救い、“ソウルリザレクター”と呼ばれていた彼だが、家族を失った事件以降その消息を絶ってしまう。
任務の傍ら榎戸の行方を追っていたあなたは、彼の目撃情報があった朝霧支部へと向かう。

名称：鳴上衣鶴
コードネーム：“霹靂天雷”-サンダーボルト-
性別：女
年齢：27歳
一人称：私
三人称：年下＝呼び捨て　目上＝さん付け　任務中＝CN
性格：冷静　落ち着いている
出身：ごく普通の家庭
好み：糖分の高いもの
苦手：機械　コーヒー　騒がしい人
嫌い：自分を大事にしない人

UGNの特殊部隊『ARTS』に所属するエージェント。

戦闘能力の高さは折り紙付きで、加えて戦闘時における状況判断能力を高く評価されている。常に冷静に立ち回り、時にはその身一つで味方を庇い、撤退指示等も正確。現在は行方不明となった前任者に変わって、当該チームのリーダーを任されている。

一方で、ブラックドッグでありながら機械操作に疎い。単純な電力供給等は可能だが、複雑なプログラムの扱いやハッキング等はてんで出来ない。支給された携帯電話の扱いにも一苦労でSNSにも疎い。

その見た目や立ち振る舞いからは想像し難いが、生まれ持った高身長はコンプレックスに感じている。また甘いものに目がないが、太りすぎないように食事を制限する等、自身の体型には気をかけている。

過去に数年の間FHの実験体となっていた経歴があり、その実験の影響でオーヴァードの中でも極めて高い耐久性を持つ肉体を獲得している。

・27年前(0歳)　一般家庭に生まれる。
・13年前(14歳)　FHの破壊工作による被害に巻き込まれ、家族を失う中でただ1人生き残り、オーヴァードに覚醒。その際FHに実験体として捕まる。
・10年前(17歳)　UGNによって保護される。この時、榎戸率いるARTS部隊に救われる。その後、衣鶴の希望で『ARTS』入団試験を受けて合格。UGNエージェントとなる。榎戸とチームメイトとなった初任務の際、衣鶴は自殺的行為を働くも、再び榎戸に命を救われる。これをきっかけに衣鶴は改心し、榎戸の下でエージェントとして真っ当に働き始める。
・3年前(24歳)　FHの襲撃により榎戸の家族が死去。程なくして榎戸も行方不明になる。以降、衣鶴が部隊長を引き継ぐ。
・現在(27歳)　ソウルリザレクターの目撃情報を得、単独でUGN朝霧支部へと向かう。

ごく普通の一般家庭に生まれる。父と母と妹がおり、特別裕福な家庭ではなかったが、何不自由なく過ごしていた。
衣鶴が中学生の時、FHの手によって家族を失う。絶望の底でオーヴァードへと覚醒し、衣鶴はそのままFHに連れ去られ、人体実験の被検体となった。

それから3年後、衣鶴を連れ去ったFHセルはUGN日本支部直属のエージェントチーム『ARTS』によって殲滅、衣鶴は救助された。部隊の指揮をとっていたのは榎戸樹という男だった。

その後行われたUGNでの身体検査で、衣鶴は人体実験によって別のオーヴァードのレネゲイド因子を身体に組み込まれていたことが判明する。その結果、オーヴァードの中でも桁外れの耐久性を有する身体となっていた。（人体の耐久性を向上させたことで、実験体としての価値が飛躍的に向上したと思われる）
自身が人ならざる存在になった事、家族を失った事、数年間にわたって非人道的な人体実験を受け続けた事、それらの事実を受け入れるには、彼女の器はあまりにも小さかった。

そして衣鶴は死を願った。自分だけが生き残り、そして生きながらえようとしている。そんなことが赦されるはずがない。しかし身体はとうに化け物となった。加えてどれだけ非道な実験を受けても生き続ける強靭な身体だ。そう簡単に死ねるとは思えなかった。

その後衣鶴は、被害者の聴取と定期検診という名目で面会してきた榎戸と出会う。彼はレネゲイドウイルスやオーヴァード、UGNとFH、そして特殊部隊ARTSについて話した。その話を聞いた衣鶴は咄嗟にARTS部隊への入隊を希望する。死と隣り合わせの部隊。そこなら自分の死場所が見つかると考えたからだった。もちろん、その真意は伏せた。

榎戸は、まるで生きる死人のように虚な目をした少女が口にした“ARTS入隊”という願いを、一度は再考するように促した。しかし衣鶴の決意は固かった。榎戸は“衣鶴を自分の部隊で預かる事”を条件に、UGN上層部へ衣鶴のARTS入隊テストを打診した。

衣鶴のオーヴァードとしての素質は高く、優れた思考能力に加えて並外れた耐久力を有していたため、難関とされる入隊テストも次々とクリアしていった。そうして衣鶴のARTS入隊の承認は、申請から3ヶ月もかからずに下りることとなった。

ARTSでの初任務は強力なオーヴァードを複数人率いたFHセルの掃討作戦になった。衣鶴にとって都合の良い任務だった。

予想通り、戦いは熾烈を極めた。衣鶴は一人敵陣へと飛び込んでいき、次々にFHエージェントを行動不能にしていく。しかし長い間、敵の攻撃の的となり続けた衣鶴の身体は徐々に限界に近づいていった。そしてついには死角からの敵の一撃を受け、ゆっくりと衣鶴の身体は地に伏した。

だんだんと意識が暗く沈んでいく。視界の端で、ゆらめく炎が陽炎を見せた。衣鶴は、自分の願いが叶うことに安堵した。家族への贖罪が果たされることに喜びを覚えた。『ああ、これでやっと…こんな馬鹿げた人生を終わらせられる…』

その時、遠くから聞こえてきたのは榎戸の声だった。深い闇に沈みかけた意識が、暖かな光に向かって引き上げられていく。そうして衣鶴が再び目を開けた時、そこには自分の傷を懸命に癒しながら同時にチームメイトに戦術司令を出す榎戸樹の姿があった。

結局、衣鶴の初任務はその後応援に駆けつけた別働隊のARTSエージェントの協力もあり、程なくして当該地区の制圧が完了。数人のFHエージェントを確保し、施設を完全に封鎖する事に成功した。紙面上で言えば、任務は滞りなく達成されたのだった。
身体に重大な損傷を負った衣鶴は、すぐにUGNの医療施設に入ることとなった。榎戸の尽力もあって、衣鶴は一命を取り留めた。

そうして衣鶴は生きながらえた。一人の男によって2度も命を救われた。目覚めた時の気分は最悪だった。ようやく

それから榎戸は衣鶴の、時には指導者として、そして時には親の様に接する様になっていった。たまに家に招かれて家族と共に食事をするようになった。そうして少しずつ衣鶴に新しい生き方を教えていった。壊れかけていた衣鶴の心を治すには長い年月を要したが、“魂の救済者”によって衣鶴は新しい人生を歩み始めることができたのだった。

それから数年後、FHによるテロが発生する。どこから情報が漏れたのか、UGN関係者が多く住んでいるマンションを狙った犯行だった。そしてそのマンションには、榎戸の家族が住んでいた。榎戸と衣鶴は現場に急行し生存者の救出を行ったが、かつての自分を救った“ソウルリザレクター”と呼ばれた彼の能力をもってしてもその命を救うことはできなかった。

その日を境に彼は衣鶴の前から姿を消した。

榎戸が消息を経った後、衣鶴はその部隊を引き継いだ。上層部の数名は反対したが、同じ部隊で戦っていた隊員の推薦もあり、衣鶴はARTSの一部隊を任される立場となった。

そして現在、任務の傍らに榎戸の行方を追っていた衣鶴の元に連絡が届く。
「UGN朝霧支部付近にて、ソウルリザレクターに似た人物の目撃情報があった」

衣鶴は部隊を副隊長に任せ、単独で朝霧支部へと向かった。