容姿・経歴・その他メモ

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今からおよそ10年前、ヴィットーレ・リオーネの人生は一つ頂点を迎えようとしていた。リエゾンロードへの昇格、組織の拡大。州内に敵はなく、シカゴの統一はもはや時間の問題。私生活でも妻や一人息子のレオナルドとの関係は良好で、全てが順風満帆だった。恐ろしい程に…。
そして悲劇が彼を襲った。追い詰められた敵組織が破れかぶれの鉄砲玉を送ってきたのだ。ヴィットーレは自分の能力で生き延びたが、妻は死亡、息子は脳死状態に陥った。失意のどん底にいた彼に手を差し伸べたのは親友のドクター・コードウェルだった。博士は斬新な手術をレオナルドに施した。ネット上で捕獲したノイマン系のレネゲイドビーイングを小型バイオコンピュータごと少年の脳に移植したのである。
博士の目論見通り、レネゲイドビーイングは死亡したニューロンを食べて、脳に空いた穴を高速回路で塞ぎ、少年の記憶を取り込んで人格と同化をした。
レオナルドは奇跡的に目覚めた。だがトールキンの作品を愛読するような物静かな少年は突然人が変わったようになり、金を湯水のように浪費するふりを放蕩息子になった。ヴィットーレはそんな我が子を咎めることもせず、好きなだけ金を与えた。何時しかレオナルドは組員たちの間で【金食い虫（ゴールドワーム）】と影で呼ばれるようになっていた。
だから多くの者はそれに気づかなかった。無尽蔵に浪費する金でレオナルドが密かに武器や身分証明書、セーフハウスなど買い集め、自らを鍛え準備していたことに。
父の訃報を受け取ったときの青年の顔には嘆きも涙もなかった。「俺は約束を守ったぜ、親父」と彼はうそぶく。「ここから先は俺のターンだ！」
そして彼は走り出す。裏の世界に彼の二つ名、【黄金龍（ゴールドワーム）】が何かを教えるために。

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