勉強が好きな中学3年生。
春に札幌に進学することが決まっており、札幌の高校受験のために毎日勉強を頑張っている。
真面目な優等生…なのだが、小学校低学年の頃は超やんちゃで近所を駆け巡り走り回るような、勉強などというものには無縁な子供だった。

正義感が非常に強く、間違ったこと、悪いことを絶対に許せない性格。
子供の頃はそれが原因で周りの子供たちに指摘や注意をしたりして、何度もいじめられたり殴り合いの喧嘩をしていた。
誰かを助けるために全力で奔走することを全く苦に思わない子供で、他のいじめられたりしている子供を身を挺して庇うなど、とにもかくにも正義感の強い性格だった。
ただ、喧嘩はものすごく弱かったため負けに負けまくってよく泣いていた。

とある出来事で突然勉強に打ち込むようになった彼女は、勉強を始めていろいろなことを学んでいく。
そんな中学生活の中で、自分の感情を我慢するということを覚えていき、現在は非常に落ち着きのある性格をしている。
だが、感情が昂ったり、思いがけないことが起こったりすると、彼女の本性の片鱗が見える。

その頃の彼女を知る友人知人からはよくなじられている。

自らの身に宿る不思議な能力、オーヴァード能力。
これを使えば今やっている勉強の効率や、その他諸々のさまざまなことに使えるとは思っているが、この力が人の域を超えた、得体の知れぬ力であることを理解しており、それをあまり自分のために使おうとしない。
それを使うのは、少しずるい気がするから。他の人が正々堂々やっているのに、自分だけ力を使うのは、不公平だと思っているから。
だから使う時は誰かを助ける時、誰かが助けを求めた時だけに、「今のところ」は留めている。

札幌市内の公立トップ進学校に合格し、引っ越していった。

進学後は自ら"都築京香"の元を訪れ、"ゼノスエージェント"としての道を歩む。
彼女の理念思想を目の当たりにし、青葉はオーヴァードとしての知識、経験の向上を求め、
そしてレネゲイドビーイングという存在の本質や解析、様々な分野に際して、彼女の下で解析や研究を行うことにした。
自ら積極的に都築京香に師事を得て、その知識を深めていく。

「力を活かすも殺すも自分次第。」
自らの力を悪事には使わないという誓約を徹底し、ノイマンのオーヴァードとして開花していく。

能力は普段、「自らを高めることや様々な知識を得ること」
「自らの正義感の許す範囲で、人の悲しみや苦しみや辛さを取り除くこと」
などにのみ使用し、ノイマンとしての力を自覚し、覚醒した後は、日々様々な事柄や膨大な知識を身に着けていっている。

ゼノスエージェントとして身を置く中、中学の頃から継続している勉学もよりいっそう気合を持って励むようになる。

その勉学とともに宇宙学、地球学、天文学等を学び、大学進学の際は自然科学の研究・開発の実務に従事し、宇宙航空研究開発機構（JAXA）の宇宙飛行士試験を受けるために日々の生活に奮闘している。教師免許も取得する予定らしい。

周りから見たら、途方もないとも思える目標や夢に向かって、日々の日常を全力全開で駆け回る彼女。
そんな彼女は小さな青い手帳を片手に持って、周りの友人たちに笑顔でこう言った。

「色んなことを教えてあげたい子がいるの。その子と会った時のために、私はこの地球のことを何でも知っておきたいんだ。」
「……だって、先生が教え子に負けてたら、かっこつかないでしょ？」

「――目標はね、"光"！」

彼女は、夜の空に向かって拳を掲げる。
また必ず出逢う。その日を夢見て。

ボイジャー1号は1977年の打ち上げから35年かけて太陽系を脱出した。
現在は、太陽から200億km以上離れた場所を孤独に飛行しているらしい。
スケールが大きすぎて想像すら難しい距離だが
今でもそれは確かに存在しているのだ。

そして、そのボイジャー1号の向こう側にも彗星や未発見の太陽系外縁天体、
さらに途方もない距離をゆけば無数の恒星や銀河が広がっている。
本当に、気の遠くなるような世界だ。

これは、そんな広大すぎる宇宙の、ほんの一粒同士の出会い。

いつも同じ時を過ごしてきた仲良し三人組。
中学校生活最後の夏休み。頭上に広がる満天の星。
空から唐突にやってきた少女。

『四人』はこの夏のことを決して忘れないだろう。
どんなに時が経とうと。
どんなに距離が離れようと。

　ダブルクロス 3rd Edition
　『追憶は光よりも速く』

日常───それはキミがキミであるための道しるべ

キミは軒間市立花咲中学校に通う学生だ。

幼少期にオーヴァードとして覚醒したキミにとって
PC2、PC3は秘密を共有できる大切な仲間だ。

軒間市は娯楽の少ない街だが、
温かな人たちが多く、綺麗な景色の広がるこの街をキミは気に入っている。

だが、キミは来年の春、両親の仕事の都合もあり
この街から電車で八時間離れた札幌に進学することが決まっている。