容姿・経歴・その他メモ

「明日、桜の満開とともにー」
「雪が積もるらしい」
2020年3月28日。東京ー
とある産婦人科の、個室の、とある一室のこと。
「あら、でしたら。この子たちの名前は」
「さくら」
「ゆき」
臨月の女が腹を撫でる。
「きっと、華やぐ春を愛でる子と」
「雪解けの通草の春を守る子に」
「なるでしょう」

ーしかし、その春に華は咲かず、
ー降り積もる雪の底に嬰児の１人が息を沈め
「私だけが生まれ落ちた」


故に、私は「さくら」と「ゆき」
二人の名を背負って逝く。

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