容姿・経歴・その他メモ

ただの優男。それ以上でもそれ以下でもない。見た目上は。

　FH構成員の一人で、広範囲にわたる偵察、潜入の任務を主にこなしていた工作員。優秀な男であった。酒に目がなく酩酊しながら作戦に参加することもままあったが、それでも一定以上の成果を上げてくるという憎いヤツ。それが｜影山　啓吾《かげやま　けいご》という男だった。HFセルリーダー候補の｜玉木　満音《たまき　みつね》とは飲み仲間で、オフの日はよく二人で飲みつぶれていた。
　そんな酔っぱらった状態でうっかりソラリスシンドロームの能力とノイマンシンドロームの頭脳をフル活用してできてしまったのが生ける醸造酒『｜二日酔い《ティルドーン》』である。驚異の度数99％。何をどう混ぜて薄めようとしても絶対に99％を下回ることのない奇跡の酒である。どんなものでも酒にして飲んでやろうという頭の悪い考えが透けて見えるバカみたいな酒である。
　
　酒はあらゆる奇跡の産物である。レネゲイドウィルスは奇跡の生みの親である。奇跡の産物と奇跡の結晶が組み合わされば、こういったことも起きるのだろう。

　そんな｜影山　啓吾《かげやま　けいご》の物語はとある任務で幕を閉じる。
　よくある任務であった。とあるUGNの支部を強襲するための大規模作戦。影山の潜入の甲斐もあり任務はつつがなく進行していた。
　その支部の支部長が作戦直前に入れ替わっているという事実が発覚するまでは。
　イレギュラーはいつもの事、多少の油断も、情報がそろっていれば、加えてその情報源が信用できる人間であればままあること。そして、それが合わさると人は死ぬ。今回はその矛先が、偶然ともに行動していた玉木だったこと。さらに偶然、自分が玉木を庇える位置にいたこと。そして影山は直情型の人間だ。

当然、庇う。

結果は影山の死であった。

FHの人間がまともな死後を送れるはずもなく、研究室に送られて解剖される。はずだった。

　影山が常飲していた『｜二日酔い《ティルドーン》』は魂の抜けた肉体にいきわたり、己が新しい魂となって人としての生を得た。それが今の彼だったものである。
　以前として影山を名乗りながら一人孤独に夜の街を歩いている。

セッション履歴