容姿・経歴・その他メモ

出自：待ち望まれた子　経験：実験体　覚醒：素体
　UGNチルドレン出身のエージェント。幼少期、拘束具のように繋がれた無数の点滴と、極限まで無駄を排した無菌室だけが彼女の世界だった。
　SoO-9876372と彼女は呼ばれていた。UGNチルドレンの試験管ベビーとして生を受け、人道に反するような実験を数年間受け続けた。どんなに傷つけられてもオーヴァードの超回復能力により数時間で回復するため、人間性を捨てた研究者たちはその非人道的な研究を止めることはなかった。研究所での生活が7年ほど過ぎたころ、彼女は戯れに自分の能力を行使してみせた。

　その瞬間、研究者たちは身をもって成果を実感した。

　研究所内部で薬害によるアウトブレイクが発生。全身を爛れさせて絶命する者、恍惚の表情を浮かべたまま全身から体液を漏らすミイラ、乱交のように重なり合っている死体など、まさに地獄の光景が広がっている。その地獄の中、彼女は自分のお気に入りであったソファーに腰を下ろし、研究者の死体からはぎ取ったであろう煙草を悠然と吸ってくつろいでいた。
　
　UGNに保護された後はUGN研究班アールラボ預かりとなった。そこでラフレシアと出会い、彼女と他のアールラボ職員たちとの生活で失っていた人間性を取り戻した。この頃から林道　杏という名前を得た。現在は薬剤知識と医療能力の高さからUGN医療班ホワイトハンドの所属のエージェントである。研究の傍らに薬剤師として活動しており、杏の処方する薬は高いコストではあるがそれに見合う以上の効果を発揮させる。

　能力はソラリス×オルクスのクロスブリード。自家精製した体内麻薬を飼育している蝶の餌にすることで蝶を自在に操る。麻薬蝶の鱗粉には大量の神経毒が混入しており、常人は吸い込むだけで昏睡させることができる。普段は白衣の下に忍ばせている。白く見える白衣だが本来は無色透明であり、休眠状態の大量の蝶が折り重なって白く見えているだけである。
　猪鹿蝶【フルハウス】
　使役している麻薬蝶を対象めがけて飛ばす。麻薬蝶の鱗粉は装甲を無視して神経に直接ダメージを与える。
　五光【ストレートフラッシュ】
　戦闘用に調整した麻薬蝶を飛ばす。通常の麻薬蝶より濃度の高い神経毒を散布する。
　菊に杯【デッドマンズハンド】
　使役している全ての麻薬蝶を飛ばす。使用後に白衣が消え去る。

　趣味は自家精製した麻薬を吸うこと。最初は快楽成分を直接摂取していたが、現在は葉巻に混ぜて吸入している。オーヴァードの回復能力に任せて吸入しているので人体への影響は皆無である。

　性格は人間嫌いで隠遁家。基本的に現場に出ることはなく、後方で研究していることを好む。他人に対しても厳しく、極一部の人間以外は杏の研究室を除くことすら許さない。その反面、動物や虫に対しては優しく、実験動物への給餌や麻薬蝶の飼育は率先して行っている。同僚チルドレンの空気聖浄機とは不思議と波長が合うようで、ホワイトハンドの施設内でよく行動を共にしている。彼女は杏の研究室にアポ無しで入れる数少ない人物である。

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