色素が少なく白に見える様な透明の長髪、メラニン不足によって血管が透けた結果桃色に見える淡紅色の瞳が特徴的。
アルビノ、と呼ばれる分類に分けられる存在である為紫外線等対策で袖の長い衣服が多い。
その結果及び本人のチョイス的なセンスから体つきがはっきりしない系統の物を良く好んで着ている。

柔らかな物腰、温厚な性格であり大概クラスメイト（主に女子）から無害認定されている男の娘。
クラスでは授業中、休み時間問わずだいたいゆるふわしているかどこか遠い場所、時間に想いを馳せているのか浮世離れた印象を多く見せる。
人間関係に関して難があるわけではなく、クラスの行事や級友からの誘いにはそれなりに応じて楽しんでいたりするものの、そんな彼らとは一歩引いた場所から向き合っているように見える。

熱い心、それなりのお節介焼きな一面を強く持ち、困っているのであれば手を伸ばし、自分にしかできない、適任であるとなればやり遂げる覚悟を持つ。

そんなどこか一風変わった少年ではあるが、根は至って普通の男の子。
普通の事で泣いて、笑って。綺麗な人に見惚れてしまってみたり、ちょっとえっちな話題で恥ずかしがりつつ興味津々になる。
あくまで、普通の男の子なのだ。

東京近郊　才華市に住む至って普通の高校一年生。

古く続くそれなりに由緒ある家系、奏澄の次男として生まれ礼節やそれに見合った自力、武術を厳しいながらも教わり、それでも大事に育てられていた少年。
兄と姉とも関係は良好であり、愛し愛されながらこんな日常が続くと思っていた。


だが8年前のある夜、奏澄が持つある別荘において火災が発生。
一人だけ逃げ遅れていた心祢が大急ぎで外へ出ようとしていた際、実の兄が姉の心臓を刀で突きさす光景を目の当たりにすることとなった。

誰かの笑い声、滴る血...そして、最後に残るは紅の華。
用は済んだとばかりに背を向けた兄へと向けた言葉はなんだったか。
死体も残らず華と成った姉へ縋った言葉は一体何だったか。

そこから先の記憶はなく、起きた時には病室の天井が目に入る。
アレは夢だったのか、嘘だったんじゃないかと願った心祢につきつけられたのは両親、姉の死。兄の失踪。
一晩にして殆どを失った少年は、今を現実として認識しきれなくなってしまった。

16となった心祢は超常的な一幕をその目に見てしまったからか、現実感が持てていない。
仮に心が目の前を認識できるようになるとすれば...きっと、同じように不思議な体験に身を置くこと、だろう。
それは姉が転じた紅い華、それが雄弁に語っている