死んだやつの記憶を引き継いだレネゲイドビーイングを造り、継承メカニズムを解析するこのプロジェクトもついに3体目までこぎつけた。
1体目はたしか恋人を失ったショックで自殺した若い女の脳みそを媒体にケルベロス型で造ったんだが、こっちからの言葉を待たずに首を掻っ切って自殺しやがった。
記憶の継承自体は行われていたらしく自殺したはずなのに生きているという状態に困惑し侵蝕率が急激に上昇、衝動のまま自殺したと考えられる。
2体目はステイト・オブ・グレイス過激派の連中が磔刑にした傭兵だったかな、そいつの眼球を媒体にクラーケン型で造ったんだが初期起動の段階でジャーム化しやがったせいで研究所内が荒らされた、俺含む研究員が総出で処分した。
3体目、革命にて免罪にもかかわらず処刑されたイギリス貴族の心臓、狂った貴族排斥派のやつがわざわざ保管してくれていたらしい。おそらく学術的にも価値のある遺品？だが俺たちの高尚な目的のために使わせてもらおう。
そう、ついに念願の心臓を媒体にしてレネゲイドビーイングをつくる！！
カドゥケウス型で造ることにした。



　くそったれ、なんてサイズだ、まさか成長阻害剤を投与されてたにも拘らずあんなサイズになるなんて予想外だ。
研究員が二人喰われた。
施設の送電設備が破壊された上に電波塔もついでのように破壊された、この場所はあいつの狩場になっちまった。

　ジャックが喰われた、俺をかばって喰われた。
あいつが喰われてるのを俺は「隙」と判断して逃げ出した、最悪だ。

　赤い目が見てる。

　またみてる。

　またまたまたまｔまｔまｔまｍｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔｔ……