彼女の人生は常に奪われてばかりだった。神に母を殺され、人に父を壊された。大切なものを誰にも奪われないために、彼女は常に力を欲している。

八王子の労働者家庭に生まれる。実の母は彼女の出産後に息を引き取った。父は誠実で明るい人間で、母が居なくても一人で彼女を育て上げようとした。とはいえ人と違って母が居ないことは彼女にとって少なからずコンプレックスとなっている。
優奈が7才の頃、充実していたはずの家庭を崩壊させる事件が起こる。父親のリストラだった。どうやら会社の役員は彼に相当な恨みを持っていたようで、再就職を徹底的に妨害されてしまう。学が無く肉体労働しかできることが無かった父親は再度職を得ることは叶わず、消沈し酒に溺れる生活を送るようになる。貯金を切り崩しながらの生活、そして父の変貌により彼女の精神構造は大きく歪んでしまった。ほどなくしてアルコール中毒死により父親が他界し、保護施設に送られる。

施設で生活するようになっても、まだ幼い彼女はかつての父親を愛していた。どうしてあの優しく明るい父が変貌してしまったのか、その原因を調べてゆくと役員による父へのパワハラへとたどり着く。あらゆる人物にこの事実を話すも、大抵の大人からはあしらわれ、親身になって話を聞いてくれる大人も業界の圧力により沈黙してしまった。力のない彼女は父親の無念を晴らせなかった。そんな中、彼女は自分にどうすることもできない現状を変えたいという強い渇望から、オーヴァードに覚醒した。
覚醒後はすぐにその役員の家へ向かい、一家を皆殺しにした。これによりUGNに目をつけられてしまい、FHとして歩む以外の道を失った。日本各地を転々とし続け、現在は御伽市にてFHエージェントとして活動中である。覚醒してからは「大切なものを何者にも奪われないため」に強さを欲しており、遺産というオーヴァードとしての能力を高める存在に対して強い興味を抱いている。

・居候している中華料理屋の鶴田夫妻は優奈のことを大変気に入っており、親のような愛情をもって接している。その優しさを受け、優奈も徐々に心を開いている。
・優奈が不良をボコボコにする理由は、自分が「力を持っている」という安心感を得るためである。
・完全獣化した彼女の姿は、長い手を持つウサギのような獣人である。ケモ度20％ぐらい。
・高校には一応通っているものの、2m超えのマッチョ体育教師すら威圧でビビらせてしまうため彼女の素行の悪さは黙認されている。
・ピッチングは小学生時代にやっていた野球の影響。父親が大の野球好きで、小さい頃からキャッチボールをしていた。貧乏故野球チームに入ったことはないが、多彩な変化球の使い手ということでバッティングセンターで勧誘を受けたことがある。