城ケ峰家が名家として知られるようになったのは祖父の代。祖父は情報収集と容赦のないだまし討ちが得意だった。
ヨウは忙しい両親に代わり、一線を退いた祖父に育てられた。意味も理解できぬまま情報収集やだまし討ちを行ってきた。物心がつき徐々に理解できるよになったが、それでも家には逆らえず諜報活動や大声では言えない事をしてきた。
ある時下った家からの命令は、身近な名家の跡継ぎを亡き者にすることだった。その対象はヨウがこっそり仲良くしていた友人のリンだった。ヨウは怒り、環境に耐えられず自らの命を絶った。はずだったが、奇跡なのか家の力なのか、一命をとりとめた。
長期間の入院を強いられたが、その間毎日看病に来てくれたのはリンだった。ヨウの事を心配した祖父の計らいでリンは対象から外されたらしい。さらに気を失っている間に何かがあったのかオーヴァードになっていた。自身の能力は諜報活動向けで、ヨウは笑うしかなかった。
退院後も能力について家には隠し、少しでも人々に役立てようと探偵業を始めた。