外で走り回る子達を、遠目に眺めていた
羨ましかった、皆の事が
けれど俺は･･････私は･･･病弱な子だった。
病院暮らしとまではいかなかったけど、運動なんてもっての外だった
体育の授業でもずっと蚊帳の外で、図書館で自習の日々だった。

そんな私に、声をかけてくれる人がいたんだ
学校司書の天野先生、あまのお姉さん。
いつも1人の私に･･･声をかけて、友達になってくれた人

私は好きだった、あまのお姉さんが･･･大好きだった
笑顔を向けてくれて、一緒に色んな本を読んでくれて、勉強も見てくれて
それが嬉しくてその時間が宝物だった。
面倒見てくれる、かっこいい憧れのお姉さん。
あまのお姉さん話していると、楽しくて苦しいのに自然と笑顔になった

クラスの女子が、天野お姉さんと仲良くして、独り占めする私はおかしいって･･･
この気持ちは･･･駄目だって事を知ったの。
その日から、天野お姉さんと話す時間が短くなって、図書館にも行かなくなって
辛かった、悲しかった、羨ましかった
図書館で、天野お姉さんと楽しく話す男子が。羨ましかった。
私も男の子に･･･生まれたかった。
渇望し、絶望した、どうにもならない自分自身を、壊してしまいたかった。
そうして私は、家で、布団という殻に籠って、夢を見る。あり得る筈のない夢を。