昔の杏は、勉強はできるがやりたいことが見つからないという悩みを抱えていた。悩みを解決できないまま、なんとなく図書館で「ざんねんな兵器」という本を開くと、パンジャンドラムのページが目に止まる。
真っ直ぐ進むことなく戦場に現れることはなかったパンジャンドラム。そんな姿に同情したのかわからない。確かなのは、彼が真っ直ぐ進む姿をこの目で見るため、当時の設計のまま……ロケットの推進力で真っ直ぐ走行するパンジャンドラムを作ることを決意。真のパンジャンを追い求める日々が始まる。
高校生活が始まったばかりのある日、登校しているとFHエージェントに誘拐され、オーヴァード覚醒のモルモットの1人にされてしまう。
注射を打たれ、目の前で次々とジャーム化していく人々に恐れ慄いていると、自分の手番がやってくる。
「こんなところで人としての生を終えたくない」そう思った瞬間、自身の身体が発光し、現れたパンジャンドラムと共にFHエージェントを倒していく。
戦闘中に施設から脱出し、駆けつけたUGNエージェントの一団……その中にいた父の姿を見て、本格的にレネゲイドの世界に足を踏み入れた。
能力によって思い通りのパンジャンを作れるようになったが、杏による真のパンジャンの探求は終わらない。次に目指すパンジャンドラムは「大砲の反動で進むパンジャンドラム」である。

パンジャンドラムを生成し、相手の陣地で爆破させるシンプルな戦法をとる。
一見地味に見えるが、杏が生み出すパンジャンは当時作られたパンジャンの設計図と全く同一のものであり、それでいて杏の想定通りに走行するという、何気にすごいことをしている。
これは、杏の天才的頭脳による運用、物理法則を超越した構築技術、レーザー光線による推進力、これらが完璧なバランスで調和しているからこそ成せる技である。
パンジャンドラムばかり作ることを除けば、優秀なトライブリードと言えるだろう。

｜潘寺谷 葉睦《ぱんじや はぼく》
UGN創設からそれほど経っていない年に覚醒したUGNエージェント。正義感が強く、杏にも「好奇心を満たすのも大切だが、それで人を助けることも忘れてはならない」と教えており、彼の正義感は娘に受け継がれている。
氷山空母「ハボクック」を生み出し、搭乗して戦う。
蛙の子は蛙。
ちなみに母親はRラボの研究者で、常日頃から「笑える」兵器の開発を行っている。