彼女は二卵性双生児の姉だ。元々UGNで働いており妹を支え、その快活さで妹を元気づけてきた。
彼女らは大人になり、自立した女性となった。
しかしやはり双子と言うものは、どう足掻いても断つことの出来ない絆なのだと、誰しもが彼女らを見て感じるだろう。

UGNチルドレンの赤砂(あかすな)莉紗(ちさ)の射撃訓練およびブラム＝ストーカーの扱いを指南した。
それもあってか二人は親しく、「ちさちゃん」「とものさん」と呼び合う。
しかし二人とも専属の治癒担当を必要とするレベルで自分の血を激しく消費するためか、任務で共にすることは少ない。
任務中に関しては妹のほうが莉紗と関わることが多い。

UGNでの彼女の役割は主に戦闘員である。
迅速な事件解決のために動き、ある程度の諜報・調査もこなせる為、評価は高い。だが、彼女の戦闘スタイルが相まって体力があまり持たない。彼女のフォローに回れる者が必要だ。
双子の片割れが隣に並んだとき、彼女は真価を発揮するだろう。
彼女がついた任務では、溶かされて液体となった止まらぬ怪物(ジャーム)を見ないことはない。
それは、彼女が王水の弾丸と呼ばれてるその事実が、証明してくれている。

コードネーム「王水の弾丸」
彼女の血を吸った弾丸が起こす溶解を指して名付けられた。もっとも、彼女はあまり気に入っていないようだ。
「名付けるならもっとかっこいいコードネームじゃないと満足できません。赫い鉛玉とか紅蓮王水の方がカッコいいでしょう？　それかいっそ可愛い名前にしませんか？　……ポップレッドなんてどうでしょう。ダメ？」

彼女はソラリスとブラム＝ストーカーのクロスブリードであるが、どちらかというとブラム=ストーカーの特徴が強く出ている。彼女が生成できる化学物質は酸化性が高い液体だけで、治癒を促進するものや麻痺・毒といったものは作り出せないようだ。ソラリスのもう一つの特徴である幻覚を見せるといったこともしない。とはいえ、酸化性高い液体を血液に混ぜて銃撃を強化し相手の体や装甲を溶かすというのは充分に強力である。ただ自分にも影響が及ぶのか体力の消耗が激しく、その点はある意味ブラム=ストーカーのピュアブリードのよう。
……しかし、彼女は造血を促進する化学物質を大量に生成(オーバードーズ)する。無理やり増加させた血液すべてを弾丸に吸わせる彼女の姿は、まるで自身の体を使って実験をするマッドサイエンティスト、もっと言えば止まらぬ怪物(ジャーム)を彷彿とさせる。
いつか、本格的にソラリスシンドロームが目覚めたとき、彼女の快活さが壊れぬことないよう祈るばかりである。

思い出の一品[浅緑色の爪]
なんの変哲のないマニキュア液。双子はお互いの爪にマニキュアを塗りあいっこする。
彼女達にとってそれは日課であり、日常へ繋ぎ止める行為であり、かけがえのない特別な時間だ。
形に残っているものだけが思い出だけではない。
お互いが傍にいるこの一分一秒が、どんな物品よりも確実な宝物(思い出)になるのだから。

”ことこ”(ことちゃん)に塗ってもらったこの色(浅緑色)が、”ともの”(私)を元気づけてくれる。
明日も私は、私でいられる。