容姿・経歴・その他メモ

高1の夏に美景と再会。
美景の父の仕事の都合で再度咲楽市に戻って来たことにより同じ学校に転入してきた。

身長は2㎝伸びたが、中身は対して変わらない。基本的にはいつも元気で明るく、誰に対しても友好的。

大きく変わった事と言えば、関西弁の頻度が増えたこと。
母方の祖母が関西人なことに加え美景の親の転勤先が関西だったこともあり、感情が高ぶった時以外抑えていた関西弁がよく出るようになった。

イリーガル的な活動をするようになったが、未だに所属は決めかねてる。
中3の頃に何もわからなかった自分が今ではしっかりイリーガルみたいな活動が出来ているのはフェルモさんや東條先生や咲楽支部の方々のおかげだと思っているので、所属するならUGNを視野に入れている。
しかし、飛燕くんが心配な事やルバートの方々ともそれなりに友好的な関係を築けてる事もあり、ここでならFHの選択肢もありだと思ってる。
それでも今はやっぱりギターと向き合う時間や美景との時間を大切にしたいこともあり、一旦考える事は辞めている。

履歴

高校生になって運命の再会を果たした。

「転校生を紹介します」

夏休みが始まる3週間前の事。梅雨も明け、暑さが猛威を振るう少し前の日のHR。
担任のその言葉の後、つい言葉を失った。

「なに？その鳩が豆鉄砲を食ったような顏。久しぶり、妃」

小6の時に関西に行ったはずの安藤美景が立っていた。
毎日連絡を取っていたのに何も聞いてなかった。しかし、数日前からギター教室の先生が少し意味ありげに笑う事が増えていた。

……こういう事か。

「何で教えてくれへんかったん！？」
「だって、その方が面白いでしょ？」
「おもろいって……だってしばらく帰って来やん言うてたやん！」
「そう言ってたから妃のそんな顔が見れたんじゃん」

何て言いながら私の日常に美景との時間が出来た。
学校で音楽の勉強をしながら放課後に教室で一緒にギターを弾く。なんでもない、でもかけがえのない日常。

たまにUGNやFHから連絡が入り、用事と言って任務に合流しイリーガルのような事をしている。
ひーくんと大ちゃん先生は少し見ないうちにどんどん強くなっていく。
「私ももっと訓練とかした方がいいのかな」なんて思う事もあるが、フェルモさんやUGNの人たちは自分のしたいようにすればいいと言ってくれるからギターと向き合う時間に当てている。

何度か任務で顔を合わせるうちにルバートの人たちともそれなりにいい関係を築けていってる。ひーくん、私にはあんまり弱いとこ見せてくれないと思ってたけど、ルバートの人たちも心配してるみたい。大ちゃん先生とはよく話してるらしいけど、やっぱり私は頼りないのかなぁなんて思う事もしばしば。
だけど、同級生の私より大人の大ちゃん先生の方が話しやすいよねっても思うから無理やり納得してる。

中2の冬、「そろそろ進路も考えないとね」「どこの音大行く？」「実はスカウト来ててー」なんて話をクラスの子や美景としてたある日。
美景が私のギターケースについてるアクセサリーに気付いて「それ、かわいいね」って言ってくれた。
何度考えてもこれが誰のもので、どうして私が持っているのかもわからないし、あの歌声が誰のものなのかは分からない。
だけど、裏に刻まれてる“ありがとう”の文字を確かに受け取った事も事実。

「これ、大切な物なんだ。……って言うてもよー覚えてないんやけどな」
「なにそれ？って普通なら思うんだろうけど、妃が覚えてなくてもなにかあるんでしょ」
「そう、私と美景にとっての“君の笑顔”みたいなもん」
「それ、すごい大切じゃん！」
「美景ならそう言ってくれると思った」

2人でよく歌っている事を知ってるクラスメートたちも「これだけ可愛いのにそれ以上に大切な理由あるじゃん！」「いいなぁそういうの」って言ってくれた。
覚えてないけど大切な物。理解してくれる子達に囲まれてる私はすごく幸せなんだと思う。

それなのに。

3年間本気でギターと向き合って、美景やクラスの子と楽しい時間を過ごして、任務は大変だけどひーくんと大ちゃん先生とも卒業後も元気な姿で会える。
幸せ過ぎるくらい幸せなのに。

胸に空いた穴が塞がらない。
だけど、この穴があなたを確かめるただ一つの証明。
それでも虚しくて、どうしようもなく心が千切れそう。

この穴は、埋まるのかな。

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