本名は｜上月 藍《こうづき あい》、由緒ある家、｜上月《こうづき》の長女として生まれる。
上月家は昔から史官を務めてきた一族で、現代でも史学者や考古学者を輩出する家系として名を知らされている。
藍も例外なく然るべき教育を受け、歴史家になるべし教養を身につけてきた。

事の転機は彼女11歳の頃、学校遠足の帰りにバス横転事故に遭い、クラスメイトと同乗している先生数名含めて遭難する。
唯一意識があった彼女は窮地を脱するために独自でバスから脱出、今まで学んできた歴史と地理の知識から近くに村落があると確信し、救援を呼ぶに走り出す。
これが彼女が初めて自分のオーヴァード能力を行使した瞬間だと思われる。

救助隊が早期駆けつけたおかげで死者0人、そして搬送先の病院に彼女はUGNからの事情説明を受けた。
そしてその場に、彼女の両親の姿もいた。どうやら上月家は、日本UGN前身にあたる護人会と交流があったという。
戸惑いこそしたものの、この力をもっと有益に使いたいことから少女はイリーガルになりたいと申しだす。
しかし、このことを彼女の両親は大反対し、上月家の者は学者として徹するべきだという理屈で彼女の行いと思いを否定した。

この出来事で両親に失望した少女はUGNチルドレンになる道を選ぶ。実家から勘当され、縁を切った。
元の名前を敢えて読みだけ変えてそのまま使っているのは、そんなささやかな、反抗心の名残りかもしれない……

「私思うんだ、"らん"の読みのほうがかっこいいって！」

元、ハヌマーンのピュアブリード。
現、ミストルティン/ハヌマーンのクロスブリードへと変異。

基本スペックは神経伝達加速がもたらした感覚増幅および身体能力の向上、それ以上でもそれ以下でもない。
代わりに、非常に精妙な制御センスによって応用の幅を利かせている。

ミストルティンに目覚めたきっかけはAdレネゲイドが現れて間もない、“鬼”と呼ばれるジャームと対峙する時だった。
一時追い詰められたものの、無我夢中になった彼女はとある"刀"を作り出し、敵を討った。
その形はかつて鬼切の異名を持つ名刀と彷彿させ、後にジャームに特攻効果を持つことを判明する。
この出来事から扱えるエフェクト群も変わってしまった（データ的に、本来持つピュアブリードのエフェクトを使えなくなってる）ため、それ以来新しい訓練に打ち込んでいる。