■戦いを終わらせる者

「彼が立つ戦場に勝者無し」と言われる、古代のレネゲイドウイルスに感染した男性。
彼のレネゲイドが影響する範囲下では弾丸は不自然に逸れ、剣は手から滑り落ち、爆弾は化学反応を起こさず不格好な重石になる。
ただし彼ができるのはそれだけのことで、敵を無力化することも味方の支援を行うこともできないため、空木が参加することで徒に戦闘を長引かせているだけだとも評される。
現実を見ずに自分が見える範囲でだけ戦いを制止する偽善者。故に現偽"うつぎ"と彼は揶揄される。

●情報屋として

老いることのない肉体のせいで、表社会で生きようにも定職に就きにくく定期的に拠点を変える必要があった。
それならばいっその事、他人の老いなど気にしないであろう裏社会で生きてやろうと30代後半の頃に決意する。
情報収集が得意なタイプではなかったが、10年以上のキャリアのおかげでそれなりに情報屋として活躍出来ている。

●拉致された娘に関して

権力者の娘を助けたとあれば、UGNへのパイプをより太くすることができる。
それに誘拐事件なのであれば人質の安全が優先される。であれば、自身の"争いを止める力"は役に立つだろう。
等と言う理由を口にしてはいるが、単に「若い娘さんがレネゲイドに関する事件で傷つくのを見過ごせない」という老婆心と正義感が入り混じった感情の下で奪還任務を請け負った。

●衝動;憎悪と古代種の力

遥か昔、人と人との争いが絶えることなく続く国で生まれた化け物に宿っていたとされるレネゲイドウイルスに薬袋空木は感染している。
争いを続けていた人々は化け物を見るなり、化け物に強い憎悪を抱き、手を取り合って化け物を討伐しようとした。
争いを好まない化け物は人間と戦おうとはせず長年逃げ続けるも、最後には人間の手によって殺されてしまう。
そして化け物が死ぬや否や、人々は争いを再開した。
"人間に憎まれる力""人間同士の争いを止める力"だけが化け物に与えられた能力で、彼は何の悪事を働いていないにも関わらず人間に殺されてしまった。
数年後、国の半数以上の人間が戦死し戦う力を失った人間たちは「あの化け物を追っていた時が一番平和だった」と口を揃えて発し、化け物の遺体を平和の象徴として祀り上げた。
―現代でも化け物が祀り上げられた石碑のある地域では、稀に人々の争うを止める力を持つ者が生まれ、国の平和を守っているという言い伝えが残っている。
薬袋空木はその石碑に頭を強打し死亡して、オーヴァードとして目覚めた。

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