容姿・経歴・その他メモ

十年前両親を失った。当時のことはあまり覚えていない。気が付いたらUGNに保護されていた。
覚えていることといったら、それ以前の記憶と、僕を庇う両親の姿．．．
どんな顔をしていたのか思い出せない。ただ、こっちを向いて何か言っていた。

「時々、変な夢を見る。両親がこっちを見ている。何を言うでもなく、ただ突っ立っているだけ。
何か用があるなら話しかけてくるだろうと思って、僕も同様にただ立って見ているだけ。
気が付いたら朝になっていて、両親がどんな顔をしていたのか思い出せないんだ。」

教官に、僕は距離を取って戦え、前に出るとすぐ死にそうだって言われた。いつ、死んでもいいと思ってる奴の目だって．．．
それはそうだ。納得は全てに優先される。生とは、自他が死を納得し受け入れるための時間だ。
僕はもう納得しているし、納得できないような親密な人もいない。
なら、あとは死ぬまでは役目を全うするだけの人生なのだから。



7歳の頃両親を亡くした少年は、その後も多くの悲劇を経験し、いつしか諦め割り切ってしまうようになっていた。
出来得る最善を尽くしたあとは、ただの運命なのだと。人はいつか死ぬ。ただその順番が回ってきただけなのだ。
過去は過去なのだから嘆くことに意味はなく、悲劇が繰り返されないように学習し対策を考えることしか意味がない。
そう思っている冷めたやつ。
．．．本当にそうだろうか？
おそらく、真の意味で諦め、割り切れる人など存在しない。
誰しも気づいていないか、フリをしているだけなのだ。

知らず知らずのうちに他人に引いてしまった一線は、防衛本能だったのではないだろうか。
この少年もきっと．．．

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