過酷な訓練の結果得たのはほとんどその場から動かず大量に飛び交う弾丸で殲滅するような戦い方だった。
救出されたあの日だって、不意さえ打たれなければきっと結末は違っていた。そのはずだ。
FH施設から救出された後は、主に教育のためUGNチルドレンという形でUGNに所属する事になった。

かつて叩き込まれた歪んだ常識が強制的に塗り替えられていくような日々に思考はパンク寸前、
最近は頭を酷使し過ぎているのか眠気が強め……と本人は思っているが、
その眠気だと思っているものは
就寝してまで常に気を張っていなくていい今の環境に慣れ始めた故の、
悪く言えば油断、よく言えば安らぎのようなものだった。
訓練は自分が知っている環境よりずっと安全性が高いし、
様々な事情の子が集まる故かこの境遇でもさほど周囲から浮く事もなく
自由時間とかいうものに戸惑った事はあれど、
他の子のおかげもあって、どうしていいか分からなかった頃よりは時間の潰し方も覚えた。

そうして何度か“迎え”に来られた時も、
最初のうちは迷う間に護られたけれど、最後は自分の意志で首を振った。
……先に拒絶したのはわたしのほう。
──なのに何故だか、もう“迎え”が来ない事に胸の裡がささくれる。


（PLは無個性無表情お人形スタイルだった子がある日突然地雷系になってた“ ｜祝福《ブレス》”の反応が見たい（？）

とある地方で、その地域ではそこそこ知られた名家の生まれ。

当主がいわくつきの美術品、宝石の薔薇を仕入れた事を発端にレネゲイド絡みの事件が発生する。
「その“ ｜宝石《祈りの造花》”を入手する。関わった者は“処理”」そんな目的で訪れたFHエージェントは、
普通に屋敷に乗り込んで行き「事故」を起こして首尾よく宝石を手にするわけだが──

未だ幼い末っ子はその宝石の花が大層気に入っており、暇さえあれば眺めていたのだが
それ故にFHエージェントと鉢合わせることになる。

最初はただ無造作に殺そうとした。
ただ雑に放っただけの、エフェクトとも言わない程度の小さな一撃、ではあった。
とはいえ、何の力もない一般人の、しかも幼子相手にはそれで充分の筈だった。
だが──その花を手にしていた子供は意識は失ったものの、死なずに其処に守られていた。
エージェントは鉢合わせた子供に素質がある事を察する──
“処理”の方法は問わないわけで、事件の真相を知る者さえ居なくなれば良いのだから
戦利品のひとつとして持って帰ってもいいだろう……きちんと目覚めさせれば役立つかもしれない。
持ち帰った子供を、自身のセルの持つ実験施設に放り込んで
其処からは──その子が覚醒を迎えるまで、然程の時はかからなかった。

戦闘時、宝石の薔薇の花を核にした、身体にぴたりと沿うドレスめいた装束となる。
普段は妙な地雷系ファッションに隠れて見える事はあまり無いが、
契約者たる真夜の体に常に纏われており、意志ひとつで姿を変える。
元はといえば実家から真夜本人とともに奪われた物だが、
まだ幼かった真夜にその記憶はほとんど残っておらず
ただ物心つくかどうかの頃から気に入っていて，常に側にあったような曖昧な記憶だけがある。

かつて“ ｜祝福《ブレス》”が名付けたCN。
視界いっぱいの夜空から流星雨のように降り注ぐ弾丸のイメージからシンプルにつけられた。
UGNに迎え入れられてからも変更を望まず、今もそのまま使っている