容姿・経歴・その他メモ

長く美しい黒髪を保ち、シンドロームをこの身に宿したのち右目が青色に変化した。
海外では青い瞳は邪な者を退ける力があると言う。
事件に捲き込まれて以降、彼女に「老い」というものとは無縁のように見えるが定かではない。

本名は榊 冥子(さかき めいこ)
今は亡き夫の姓を必要に応じて名乗るが、普段は「産女」と名乗っている。

履歴

今から20年ほど前コードウェル博士が管轄する研究所で夫が働いていた。
夫からは製薬会社勤めと聞いていたどこにでもいる普通の主婦だった。

ある夜、連絡がマメな夫の帰りの遅い夫の勤め先に迎えに行った時彼女は妊娠7ヶ月であった。
製薬会社近くの一般駐車場に車に停めて待っていたところ何台ものトラックが会社に激突した直後、いくつもの爆音、閃光、崩れ行く建物…夫が危ないといてもたってもいられず彼女は会社に飛び込んだ。が、直ぐ様崩れる瓦礫が彼女を襲った。
気がつくと辺りは火の海、何かが常に燃えている焦げ臭い匂い、大小に割れた建物の瓦礫の世界だった。彼女はやっとの思いで瓦礫から這い出し夫をあてもなく探した。
何とか夫を見つけたが腕が一つと下半身と言うよりは胸から下が獣の大きな鉤爪で引き裂かれ食いちぎられたような様相だった。

最愛の夫を見つけた彼女だが既に事切れており慌てて夫を抱きかかえた。これ以上内臓が溢れないように、これ以上血を流さないように、これ以上憐れにならないように。彼女も無数の切り傷や骨折、打撲に出血があっても尚、夫を抱き締めていたが頭上から重さに耐えきれなくなった瓦礫が無慈悲に降り注いだ…

当時の現場調査に赴いたUNGエージェントからの報告によると、彼女のいた場所には見事な正方形の曼荼羅が出現しておりあらゆる自称も時が止まった状態で発見された。
既に夫と子供は息を引き取っており、彼女はただ夫の亡骸を抱えたまま座っていたと言う。その後、彼女は様々な検査のためUNG管轄の病院に入院し、夫とへこんだ腹を目の当たりにした彼女は狂ったように奇声を上げながら笑いだし落ち着いたところで「私は夫と子供を糧に『産まれ』た『女』なのですね」と静かに呟いたという。

その日以来彼女は自らを『産女』と名乗り、過酷な調査や戦闘に耐え、まるあの事件の時に彼女の中の時が止まったような風体のままだ。が、シンドロームを身に宿した際に右目が青色となったため普段は眼帯で隠している。

今日も彼女は夫が褒めてくれた長い黒髪の手入れを欠かさないだろう。

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ウフフ…これより来たるは地獄の淵よ…

賽の河原に積み上げた石を崩すは、我が手(カイナ)
三途の川の渡し船、その船船を還すは我が手(カイナ)

生きとし生ける我らを傷つけ、仇をなすのは汝かえ？
それならば、そこなお前が我の怨敵、我が憎し仇よ

この世に神や仏の慈悲はありはせぬ
ならば我が一時の、慈悲ある柱となりましょうや！

顕現…！
『地獄菩薩　胎蔵界曼荼羅』
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ウフフ…さぁ…来たれ来たれ

この世の苦しみ何処からくるか
この世の悲しみ何処からくるか
この世が苦痛に満(みつる)のは、わたしの仇がこの世にいるからだ
頭(こうべ)を垂れて此方にお出でなさいな

此方に来ぬと言うのなら、わたくしがそちらに参りましょうや！

さぁさぁ全ての仇を断ち切りましょう
『この世全ての怨憎会苦』
貴方がいるからこの世は苦しいのです
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今は極楽の時
何も感じず何も分からぬ方が、幸福と思うこともありましょう…

これは一時の浄土
これは一時の幸せ
これは一時の眠り

これは、わたくしからの最後の祷り
この世に神も仏もありはせぬ
この世に神があるのなら、この世はより楽土であったでしょう…

今世ではどんなに惨めで醜く憐れでも、わたくしだけは願いましょう

いざ去らば、道を違(たが)えた同胞(はらから)よ

さあ、ようこそお出でませ
『彼方への回向』
来世では上手に生きられますように

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