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設定三行

・FHセル“リザヴトリート”のセルリーダー
・表はライブハウスのオーナー、裏は人身売買のトレーダー
・己の大切なモノを守るためなら、己の大切なモノを傷つけることを厭わない狂人

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FHセル“リザヴトリート”

　FHチルドレンの育成を中心に構えるFHセル。セルリーダーである“マスター・スレイバー”は日本国内には十数名しかいないと言われるリエゾンエージェントの１人であり、“リザヴトリート”を中心に多くのセルが生まれている。
　本セルでは「｜快楽《アメ》と｜恐怖《ムチ》」を教育方針として、チルドレンの育成に重きが置かれている。セルリーダーの「育てた子たちが戦場で死んでほしくない」という想いが大いに込められた教育の仕方をしており、時に優しく、時に厳しい教育プログラムが組まれている。途中で逃げ出そうとする子は果てまで追い詰めて帰還させ、暴走しジャーム化した子は力で押さえつけて屈服させる。それが彼のスタイルだ。
　本セルの本拠地は表立っては単なるライブハウスとして国内に潜伏している。セルリーダー自らがオーナーとして運営しており、各地の拠点を定期的に点々としている。またセルリーダーは、セルメンバーの中で希望者があればバンドを組ませてライブに出演させることもあり、さながらプロデューサーとしても活躍している。
　また、裏では納得いくまで育ったチルドレンや捕虜にした敵対組織の人間を他のセルに売買している。彼にとって金とは「信用の目安」であり、このセルはモノを大切にできるか、裏切ることはしないかという指針になっている。
　ちなみに、捕虜になった敵対組織の人間は他のセルに売られることもあるが、多くはチルドレンの道具になったり、結婚相手になっていたりする。これこそが彼の与える最上級の｜快楽《アメ》であり、多くのチルドレンが彼を慕う理由にもなっている。一部はそれ以下の快楽を最上級として望むチルドレンもいるが、「それはその子の考え方であり、尊重したい」というのが、セルリーダーの解釈である。

傍らの影“ゴーン・アウェイ”

　彼は自身の影から人型の幻影を生み出し、それを自由に操作できる。彼はその幻影を“ゴーン・アウェイ”と呼び、相棒のように接している。
　彼の幻影は巨大な槍を持つ。普段はその槍を持っているだけで構えも取らず浮遊しているだけだが、あなたが一度でも彼に攻撃しようとし、攻撃が命中したとあなたが確信したその瞬間、気づいた頃にはその影はあなたの胸を穿っていることだろう。
　回避不可のカウンター＿＿＿それこそが“ゴーン・アウェイ”の能力である。それ以外にも、通常通り槍での攻撃や投擲も可能なため、意外と隙はない。
　しいて言うならば、あなたが放った攻撃も間違いなくセルリーダーには当たるのだが＿＿＿そこは彼にとっては問題ない。なぜならば、彼には彼を守る優秀なエージェントが大勢いるからだ。

ディスポーザブル“ゼロエグジット”

　コードネーム“ゼロエグジット”。名前は｜希璃《きり》。性別は女性、身長は146cm、体重は39kg、年齢は推定10代前半。能力はゲートの作成による空間移動。しかし、その能力は１日に１度きりという限定的な能力。
　性格は非常に臆病で、常に恐怖に怯えている。しかし、強い意志を持ち、自身の意志をきちんと伝えるだけの勇気を持ち合わせている。基本的に震えた小声で喋り緊張状態にあるが、セルリーダーが快楽を与えることで安心感と幸福感を得てリラックスできるようになっている。
　彼女はセルリーダーのお気に入りである。亡くなった妹に見た目がよく似ているからだとも噂されているが、セルリーダーは彼女は自身の教育による完成形であるからだと語っている。
　彼女が一番に欲しているものは、安心感と多幸感に包まれたまま気絶するように眠ること＿＿＿らしい。ここから逃げ出すことではないのか、と聞けば、彼女は必ずこう答えるらしい。
「逃げたその先に、今以上の環境が確実にあるのなら、今すぐにでも私は逃げますよ……？」
「でも、それが約束できますか……？」
「＿＿＿なら、リーダーの胸の中で眠っていた方が、よっぽど幸せだと思いませんか……？」

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