パーソナリティ

天蓋市の五大セルの一つ『書記(インクボトル)』のセルリーダー。慇懃無礼な態度を崩さないが、その冷徹な目に相手を見下す素振りを隠さない野心家。支配欲の化身であり、このセルだけでなく周囲のセル、ひいては日本、世界の支配を目論む。
部下は大事にしているが決して信用しているというわけでない。自らの野望のための手駒としてであり、有用でなくなれば躊躇なく切り捨てる。しかし有用である限りは厚遇を約束する。明日の命も不確かな恐怖と、余所では決して得られない報酬の使い分けにより、セルの支配を完璧にしている。
個人の能力としては広域洗脳による隠蔽工作・情報操作が専門。表立って活動することは少なく荒事は苦手と嘯いているが、交戦したUGNエージェントの生還率が100パーセント————その殆どが発狂したまま生き永らえされた(・・・)ことが、彼の危険性を物語っている。

「敵であっても優秀な人には敬服します。いずれ私の手駒にしたいものです」

『書記(インクボトル)』

隠蔽工作や諜報活動を専門としていた(・・・・)セル。
先代セルリーダーのときはいわゆる一地方のセルでしかなかったが、先代の失踪により清塚無為がセルリーダーに繰り上がってから一変。他セルの吸収、エージェントの引き抜きなど、強引な拡張路線を取るようになった。失踪事件や方針転換に反発するエージェントも出たがその殆どは粛清済み。
セルの方針は『リーダーに従え』のみ。かつてと違い工作活動以外にもUGNとの直接戦闘や他セル襲撃、研究開発など手広く行うようになり、セルの人員も質的・量的に増大している。様々な活動の裏にはリエゾンロードの密命があるとされている。

「組織の支配とは報酬と恐怖。つまるところ飴と鞭の使い分けでしかありません」

FHアーカイブ、とあるエージェントの報告書

先日の『書記(インクボトル)』の混乱について、王道楽土(ディストピア)の造反の疑いを調査。

結論として調査対象は潔白である。
前任セルリーダーの失踪の前後でUGN特殊部隊の活動が確認されており、彼らにより抹殺・拉致された疑いが大きい。同時期に多発した近隣セルへの破壊工作も、UGNによる工作の疑いが大きい。
エージェントの粛清も以前から素行不良と認定された者に限定されていた。彼らはUGNへの離反を画策しており(添付資料-F119)、結果としてそれに先んじた処理であったといえる。

以上の調査の結果、調査対象の危険レベルはEと判定。定例報告による監視で足り、本報告を以て特別調査任務を終了する。
万が一に備えたセル殲滅も不要のため、ムーンドッグの臨戦態勢を解除されたし。

追加報告。
調査対象セルの混乱に乗じたUGNの攻勢が予想される。
先に解除したムーンドッグを対UGNの逆侵攻に投入することを提案する。

以上。

（報告者：黄色の玉葱(イエローオニオン)）
（最終承認者：反逆の聖人(イスカリオテ)）

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