容姿・経歴・その他メモ

白髪赤目の少女。赤いリボンがトレードマーク。

経歴表
一定期間の記憶がない
大病を患ったことがある
かつては貴族だった

探しているものがある

　私はかつて貴族だった。このことは病院で医者をしていたメリアから聞いた。どうやらかなりの大病を患っていたようで、自分のことも家族のこともきれいさっぱり忘れてしまっていた。母だという女性に泣きつかれたときはどうすればいいのか分からず、ただ突っ立っていることしかできなかった。

　病名は分かっていない。ハイマンの間でしか感染・発症しない珍しい病気だそうで、現在の医学書などには載っていなかった。母親からはまた一緒に暮らすことを提案されたが、他人の寿命を縮めるようなことはしたくなかったので断った。

　どうやら、私の病気は完治していないらしい。ただでさえ短いハイマンの寿命をさらに10年縮めるこの病気を治す方法を探さねばならない。私は残り5年の人生を治療法探しの旅に費やすことにしたのだった。

　お母様がとうとうこの病気の特効薬の開発に成功した。仲間たちの助けもあって、私はその薬を飲むことができ…病気は完治した。記憶をすべて失い、実の母親に対して恐らくひどく冷たい行動をとってしまっていただろうと思うのに、ここまでしてくれるとは。彼女はとても心優しい人なのだろう。…いや、親というものは皆そういう行動をする人たちなのか。

　消えてしまった記憶が元に戻ることはなかったが、これからは親孝行をすることを考えて生きていかなくては。たまには顔を出して、定期的に手紙を出して、旅先の珍しいものを時には送って…。それで母親の愛に答えられているのかどうかは分からないが。

　そして今日も私は旅をする。前よりも軽い体で、日々迫る寿命への恐怖を一旦忘れ、少しくらい笑顔をこぼしながら。


裏話
　父親がハイマン、母親が人間。父親がハイマンの寿命を迎えた後は母親が女で一つ（貴族なのでそこまで重い意味ではない）でリンネを育ててくれた。リンネが旅立った後、現在は薬学に没頭しているらしい。

　母親の容姿はハイマンに負けず劣らずの美形で、黄色がかった白髪に赤い目だったので、リンネは記憶をなくした時点で母親がハイマンでないことに気が付けていない。

　赤いリボンは両親が誕生日に渡してくれたもの。記憶が無くてもこれだけはつけておかなければならないような気がしている。

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