容姿・経歴・その他メモ

「お嬢、貴女の心刀……忍梛、ここに参上致しました！……ｶﾊｯ」
「ニンニンとか、今時言わないですよ？　拙は“とれんど”を先取りする忍なので！！」

ー概要ー

忍者かぶれの虚弱エージェント。
「余命半年」と言われてから、何だかんだ10年以上生きている。流石忍者、生き汚い。

―RP指針―

一人称：''拙
二人称：〜殿
特徴・語尾：ですます口調。ござるとは言わない。ニンニンも言わない。
癖：喀血「カハッ」
好きな物：お嬢、支部長、坂口殿
嫌いなつまらない物''：戦闘、お嬢の困った顔
目的：
1.お嬢の幸せ
2.任務の遂行

ー性格ー

底抜けに明るく、それなりにアホで、少しだけ寂しそうな眼をする青年。よく似ていると言われるのは、人懐っこい大型犬。ゴールデンレトリバー系男子。

と言うのも、生まれた時からFHの実験体として育てられ、いつ死ぬかも分からない世界に触れる中、「どうせすぐ死ぬのだから、楽しく死にたい」「それなら一人で死ぬよりみんなに囲まれて死にたい」「ついでに美少女を守ってカッコよく死にたい」というのんきな欲望を抱いたからである。

その為、自己の生存についてはかなり無頓着。食べることなどにも興味は薄く、動けなくなってから空腹を感じることも。
また、『楽しく死ぬ』為に、なんにでも『楽しい』という感情を抱くように矯正している関係か、『嫌い』『不快』などといったマイナスの感情を感じることが少ない。せいぜい『つまらない』程度である。

ー能力ー

光を操り、自他の“知覚”を操る。それだけ。
特別な戦闘武術も、特殊な遺産や秘密兵器も、彼は持っていない。持ちえない。
只の脱走兵である彼は、その身一つで一人の少女を救った。

数え切れない“死”の経験からくる生への“直感”だけを信じて――

今では12年の月日と訓練を経て、それなりに憧れた“忍術”をしている。
変わり身やら手裏剣やら……半分くらいは本人が楽しんでやっているだけ。
とはいえ、痛く苦しい実験と比べれば、御の字であるが。

ーキーワードー

梛……ナギ。マキ科マキ属の常緑樹。別名 ベンケイノチカラシバ、センニンリキ。お守りとして使われ、縁結びや「苦難をなぎ倒す」などの意味が込められている。また転じて凪の意味もある。

ー経歴ー

識別番号No.027

FHにおけるとある実験体。特別なプロジェクトでもなければ別段革新的な実験でもないただのオーヴァードの生成実験によって産み落とされた存在。十把一絡げな量産型チルドレンの一体。
その為、親や家族といったものを持たず、脱走する14歳相当の身体となるまでは100人以上いる兄弟たちと暮らしていた。名前などは付けられず、昨日話した奴が次の日には死んでいく。悲しいという感情もなく、“ただそう生まれただけ”と半ば諦めていたのだろう。

だが、そんな同胞たちの中、027だけは少し違った。誰かが残した古い漫画に載っていた忍に影響を受けたのかもしれない。
「せっかく生まれたというのに、ただ苦しんで死ぬだけでいいのだろうか？」
「何も為せず何も残せず唯々歴史の闇に葬り去られるだけでいいのだろうか？」
「そんな人生。つ　ま　ら　な　い」

ただ死ぬことを良しとしなかった027は脱出を計画する。ちょうど、自身の肉体ももう使い物にならないといわれ、廃棄処分を受けるためだ。さらには、長く生き残れないことを悟った彼は『自分が脱出した実績』を示すために、『成果品』を攫うことにする。そうすれば、逃げ出した先で追手につかまり死んだとしても、それが残れば『自分の死』は無駄ではないと証明できる気がしたからだ。

脱走、そして出会い

027の廃棄処分日。それが彼の運命のXデーだった。
体力は一般人以下にまで落ちた彼を警戒する者はおらず、たった2人のエージェントに促されるがまま、処分場への廊下を歩いていた。事前に目星をつけていた壁の薄い部分付近に差しかっかった瞬間、特大の閃光と共に彼ら二人の目くらましをし、壁を突き破って階下へと降りていった。慌てふためくエージェントたちをしり目に、彼は練っていた脱出ルートを走るのだった。
彼女と出会ったのは、たまたま、本当に偶々だった。脱出した先の牢屋にいた少女を見つけた際、027は「コレだ……」と思った。彼女を“成果”にすれば、それなりにカッコが付く。何せ、「美少女を逃がして、カッコよく死んだチルドレン」だ。FH的な痛手は分からないが、世間一般的に考えれば相当ヒロイックだ。それに追手の時間を考えれば、ここで決めなくてはならない。
だからこそ、彼女の意見を聞かねばならない。彼女が“ソレ”に足る人物であるかを――

「問いましょう。貴女は拙の“主”になりますか？」

ここに、二人の“ダブルクロス”が生まれたのだ。

3人目の逃亡者

その後、少女を背負った027は奮闘を続けた。10年以上生まれ育った施設ながらも、その広大さは相当だった。鬼ごっこは深夜を回り、施設を抜け、路地裏に潜み始めたころには既に日の光が東の宙を照らしていた。
ない体力を振り絞り、息も絶え絶えとなった027はへたり込む。追手の音は聞こえないが、もう一歩も動かせそうにはなかった。片腕が外れ、素足はリザレクトも限界値なのかボロボロ。脇腹の銃痕からはドクドクと血が流れ出ている。
それでも、と。彼は思う。今背中にいる彼女には傷ひとつ付けなかったことが誇らしかったのだ。心配する声が聞こえるが、もう、近くにいるのかも、遠くにいるのかも分からない。

ザッと、目の前の路地から人が出てくる。万事休す。この先は賭けになる。
「……どこの誰だか知りませんが、追ってあればおめでとうございます。どうかこの哀れな拙の首を土産に持ち帰ってください。もし、そうでないのなら……お願いです、彼女を、安全な、ばしょ、へ……」
そういって気を失った027に近づく影はその大きな手で抱きかかえるのだった。

次に目を覚ましたところはUGN傘下の病院。生きていることに少し驚く彼に、二人の人物の声が聞こえてきた。。
――それが、今でも続く“家族ごっこ”の始まりなのであった。

そして変わらない今日へ

027という識別番号から忍梛という名前を。救出してくれた男（なんとUGNも関係ないヤクザ者だという）から冬木という苗字を。それぞれ貰った忍梛は晴れてUGNのチルドレン、エージェントとして生活を続けた。あの時助け出した「岸保カリ」という少女と、救出しその後支部長に成りあがった「冬木　號」という男とも、同じ支部で暮らし続けている。
何だかんだUGNはチルドレンの情操教育にも励んでいるらしく、カリと共に学校に通わされていたりしていた。最終的には號の勧めもあり、大学も卒業したという。進路先はUGNエージェントとして、一応號のカフェでアルバイトをしている。
昼間はほとんどカリの護衛にストーキングしているが。

とはいえ、常に定期健診では『余命半年』と言われるのは何とかしたいものだ。

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