そこは「遺伝子が有用と判断された子供達」を「素体」として引き取り、
「兵器として出来の良い」チルドレンを育てている場所。
子供達に名前は無くクラスが上がる程・番号が上がる程、命令を効率的に実行できる素体となっている。
荒戸が知っている限りでは
「ミスリル」＞「ゴールド」＞「ブロンズ」等のクラス分けがされている。
尚、卒業・破損・等の欠番等もある為にどのナンバーが在籍していて総数で何人いるか、
又クラスカテゴリの総数やそれぞれの名称等、詳細は定かではない。

「ホーム」で過ごしていたある日、
自分達が番号で呼ばれながら大人たちは名前があることに疑問を持ち、子供たち同士で自分達の名前を与え合う事を思いつく。
荒戸にとって兄貴分かつ精神的支柱だった存在には荒戸が最初に「桐生 嚆矢(きりゅう こうや)」の名前を送った。
それ以後の「ホーム」時代の荒戸にとってコードネーム(番号)で呼ばれる事に不快感を示す様になった。
しかし書類仕事がからっきしなのでコードネーム変更申請せずに任務に当たる同僚には名前で呼んでもらえるように頼んでいる。
呼ばれるのは嫌いと言う割に他人の手を借りたりして積極的にコードネームを変えないのは
後記にある「ホーム出身者」を探す為なのもあるかもしれない。

荒戸にとって兄貴分かつ精神的支柱だった「桐生 嚆矢」は「ホーム」の卒業試験たる初任務で死んでしまう。
嚆矢の死を信じなかった荒戸はよく他の「ホーム」の子供達の面倒を見ようと試みるも
接触の結果他のチルドレンが「不良品」になる事を危惧した施設スタッフに止められた。
しかし荒戸自身コミュニケーションが下手な所も起因しそもそも上手くいかなかった様だ。
そんな彼の目標は桐生 嚆矢の生死を自分の目で見定める事、
「ホーム」の他卒業者の安否確認、これから卒業してくる子供達への居場所づくりが出来たらとも思っている。
...具体的に何をしたらいいか全く分からないが。