容姿・経歴・その他メモ

潮田家の実家を建てる時に植えられた江戸彼岸桜の木から生まれたレネゲイドビーイング。

昔ながらの日本家屋で何代かに渡って実家は受け継がれてきた。そんな潮田家に生まれた爽世は生まれた時からその桜と共に過ごしてきた。大好きなおばあちゃんのお気に入りの桜だったということもあり、よくその桜の話を聞いたり、何かの記念日には桜の前で欠かさず写真をとったりなど、その桜と生活することは爽世にとっても日常の一部になっていた。おばあちゃんが他界する時に、「あの桜のことは頼んだよ。私も上から見守ってるからね。」と言われ、その意志を注ぐように、おばあちゃんが天国からでも綺麗な花が見えるようにと、桜のお世話を人一倍するようになっていた。

しかし爽世が18の時に歳の離れた兄とその妻が家を継ぐことになり、耐震工事も兼ねて家を改装することになる。その際、その桜の木を切らなくてはいけないことになり、爽世は反対するも現実的な観点からその意見は通らなかった。爽世は大切なおばあちゃんの意志と桜を守れなかったことから(変わり果てた桜の姿を見たくないのもあった)実家を飛び出し家族とはそれ以来疎遠気味になってしまった。

桜の木はずっと共にすごしていた彼女に最期に一言でいいから想いを伝えたいと願ってしまった。願えてしまった。気がついたら植物であった自分は意思を持っていた。何かの悪戯か、自分はレネゲイドビーイングと呼ばれる存在へと変化していた。

その後は偶然にレネゲイドの反応に気づいたUGNにより一旦保護され、自分の存在についてや、レネゲイドについての説明を受ける。そして生きるための環境を提供する変わりにエージェントになる提案を持ちかけられたが、自分には目的があったため、UGNエージェントになるのは難しいと断るも、それならばイリーガルという立場で協力するのはどうかと提示され爽世が住む世界の平和を保つ手助けができるならと、条件をのむ。

それから数年後、なんとか人のフリをして生きる術を見出し「徒花人 彼岸」という人間として爽世に接触することに成功した。現在はUGNの協力のもと、爽世が住んでいるN県F市に植物園を作ってもらい普段はそこの管理人として人間社会に溶け込んでいる。爽世にあったのもその植物園だった。

梅雨の雨がひどい日に雨宿りするかのように走ってきた女性がいた。それは爽世だった。ずぶ濡れのまま彼女は館内に桜の花は咲いているか聞いてくる。桜は全て散ってしまったと伝えると、安心したように中へと入っていた。そしてそれ以来彼女は春以外の季節によく植物園にくるようになっていた。彼女とはよく話をするようになったが、彼女が桜を避けている理由がわからず、自分の正体については打ち明けられなかった。

そして爽世が25歳の春、事件が起きた。植物園内にUGNの依頼で追っていたジャームが現れてしまった。幸い、その日は年に一度の休館日で一般人はいなかったため被害は館内だけで抑えられた。と思っていた。そこには訪れる筈のない客が1人だけいたのだった。春に訪れたことのない彼女は休館日の存在を知らず、偶々鍵が戦闘によって破壊され、中へと入れてしまった。そんな潮田爽世はジャームの死に際の自爆攻撃に巻き込まれ重症を負ってしまう。

かけつけた頃には彼女の息は浅く、もう間に合わないことを理解してしまう。彼女は死に際に「私、春が嫌いでも桜が嫌いなわけでもないんです。でも桜をみると大切なものを守れなかったことを思い出して辛くなってしまって、ずっと避けてきたんです。でも、なぜか貴方に初めて会った時すごい懐かしい匂いがして。だから気持ちの整理がついたら、貴方の育てた桜がみたいなって……やっぱ綺麗ですね…桜…」
そう言って彼女は自分の力により映し出された桜たちの中で永遠の眠りについてしまった。

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