ＦＨが中枢・セントラルドグマと対面する、メッセンジャーたるリエゾンエージェント。
　丸めて説明すれば特殊な伝令稼業なわけなのだが、特筆すべきは己が特性ともいえる特異点。
　あちらに行ったと思えばひとの出会いに岐路に立ちあって、こちらに行けば聖遺物が遺産が呼応するかのように目を覚ます。
　つまり俯瞰すると一事が万事が舞台ごと、到着すればド派手なイベントがまず起こる。

　常人ならば１発で精神破綻しても不思議ではないことばかりが起きる、それが彼の常日頃。
　が、そこはリエゾンエージェント。
　へらへらと煙に巻く仮面(ペルソナ)スタイルであれこれ喰らい飲み干し捌いては、打破したり身ぐるみ剥がされたり逆に剥いではモノにしたりを繰り返す。
　浮き沈み激しいその身上ごと愛し楽しんでいて、世界の総てを愉しもうとどん欲に欲す。


　本質的な性格としては、ＦＨには珍しく他を慮る。
　感覚的には視界に入った捨て猫を気まぐれに拾って面倒見るとかそんなレベルではあるのだが、少なくともそうして“拾った”場合は仲間カウントになって後見したりと面倒を見る。
　こちらを食い物にするようなら力で躾けるし、逆に慕い尽力するようなら此方も応えて力添え、そうそう見限ることはない。
　色眼鏡なしならちょいちょい各国土産をくれる気のいいあんちゃんにも見えるだろうか。


　その身上から希少な品や思い入れに纏わるエトセトラに出会うことも数多く、それらは己の異能：《ポケットディメンション》を異空間倉庫／拠点に格納して遺したり匿ったり避難させたりしてはいる。
　人間男という事柄以外が不詳なのも大方異能とアイディアの合わせ技で尻尾を掴ませぬよう立ち回るため。そもそも弱みを握って陥れ合う世界が常である以上、そこは息するように行う事柄で生きる知恵。

☆傾奇者
　派手な身なりで常識を逸脱した行動に走る者たちのこと。
　戦国時代末期から江戸時代初期にかけての社会風潮のひとつ。戦国武将・前田慶次が是としていた事で名高い。
　但し、単なる目立ちたがりとは趣を異とし、仲間同士の結束の高さ、退廃的な社会風潮に対する反骨精神などの表れでもあった。

　「派手な振る舞いをする男」「派手な出で立ちの男」と言う意味も暗に含む。
時代に拠っては「バサラ」（婆娑羅と漢字表記する）、「伊達男」（戦国武将・伊達政宗に由来）等とも呼ばれる。

　現在も、その行動様式は侠客と呼ばれた無頼漢達に、その美意識は歌舞伎という芸能の中に受け継がれ、今日までに至っている。

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☆リエゾン（Liaison）
　・フランス語で『結びつき』『結束』『橋渡し』の意味。
　・フランス語における（外）連声の一種で、語を単独では読む場合には発音されない語末の子音字が、直後に母音が続く場合に発音される現象を言う。