数百年前に存在した国の侯爵令嬢。
「何でも完璧にこなせるようになれ」と幼い頃から両親にスパルタ教育を強制され、薬学の発展や新たな農耕地の開拓など数々の功績を上げてきた。それでも両親から愛されることはなく、自分は努力しなければ見向きもされないのだと子供心に理解する。苦しくも耐え忍ぶしかない日々に笑うことなどできるはずもなく、そんな状況でも表情ひとつ変えない不気味さに周囲の人々からは「人形のようだ」と逆に距離を取られてしまう日々。
お互いの家に利益があるからと組まれた婚約者からも外に出れば要らぬ噂が立つと軟禁されてしまい、自由や愛というものを知らずに過ごしてきた。

そんな生活を変えてくれたのは婚約者からプレゼントされた黒い宝石のネックレスだった。外の情報が入りづらい生活を送っていても耳にする程の曰く付きで、それまで身に付けた者たちが次々に不審な死を遂げていった死のアクセサリー。実は古代種のレネゲイドに感染した『遺産』と呼ばれるもので、それまで起きていた不審な死はレネゲイドに適合できなかった者が引き起こした自壊現象。運が良かったのか長い時間をかけてゆっくりとレネゲイドに侵蝕され、やがてオーヴァードとなった。

※名前の発音は「ルツイエル」で「ツィ」とは読まない。

数百年を生きてきたことで現代の人々が持つ価値観とは異なり、加えてミステリアスな言動も相まって性格は極めて複雑。
『信頼』や『愛』といった言葉の意味は理解しているが、心や感情面で理解できているとは自分でも思っておらず、そういった事も相まって無意識のうちに他人と一線を引いている。

建物の1階部分を改装して、UGNの支部であることを隠すために作られた小さな紅茶店。
日本だけでなく海外からも取り寄せた茶葉を使ったこだわりのあるブレンドに、ちょっと上品な気分を味わえるケーキが女子高生たちに人気の様子。
2階にある支部長室には紅茶専用の戸棚が用意されており、休憩中に中を覗けば優雅な佇まいで紅茶を飲んでいる支部長の姿が。
ひとつひとつの仕草を見ていれば令嬢だったという話も頷けるほどのものだが、別に意識してやっている訳ではなく、むしろ体に染みついていることを嘆いている。本人的にはもっと楽な立ち振る舞いをしたいそうだ。

自らの影を刃に変えて斬撃を飛ばす遠距離の白兵型。
ウロボロスらしく周囲のレネゲイドを吸収して自身の力に変えて戦う他、相手の攻撃を力で捻じ伏せるようなカウンターを得意としている。

とある事件でFHが開発したとされる対抗種の能力を持つ弾丸を撃たれてしまい負傷、過度にエフェクトを使うと毒が反応して全身に激痛が走る状態になってしまった。Rラボの助力やウロボロスの能力を駆使して多少の解毒はできたものの、未だ本調子で戦うことができない。

「"こちらの世界"へようこそ。ふふ……心から歓迎しますよ」
「UGNに協力している理由ですか？ 単純にこの街が好きだからです────意外だなんて失礼ですね」
「キミは"自由"です。自らの鎖に囚われることなく前へ進み、悩み、考え抜いた"答え"を大事にしてください」
「頭を垂れ、そこにひれ伏しなさい」